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「BIO ZONBE/生化壽屍」 日本劇場未公開 1998 監督:葉偉信
ハイ、またもゾンビ映画のお話な訳です。

これはもう繰り返し語らせて頂いた通り、
ゾンビ映画というジャンルは本当にとんでもない数の作品が存在しており、
それは未だに増殖を続けています。

ゾンビ映画に限らず元々ホラー映画全体にそういう部分があるのですが、
お菓子で言うならば駄菓子のような扱いのジャンルでもあるので、
本当に素人丸出しの自主制作映画をひっぱってきてソフト化したりだとか、
玉石混淆と言えば聞こえは良いですけれど、
ある種の掃き溜めのような状態な訳ですね。

そしてそれらのほんの一部が、
有名作品にあやかるべく勘違いを招くような邦題をくっつけられたり、
ただ安易に「○○・オブ・ザ・デッド」だとか、
舞台となる場所、或いはゾンビ化する対象物の頭か後ろに
単にゾンビとつけただけの「○○ゾンビ」みたいな
本当に安易な邦題を付けられたりして
日本国内にも入ってきたりするのです。


モーディとビーの二人組 ここが地獄の一丁目です
そうやって日本に入ってくる「ほんの一部」でもそれはもう結構な数で、
これも先にちょこっと触れてある話ですが、
「○○・オブ・ザ・デッド」のタイトル縛りでも相当な数に登ると思います。
大手総合通販サイトで検索してみると
本当にうんざりするほとの数のゾンビ映画が並ぶ事でしょう。

そういった有象無象の中からコレ!というべき一本を引き当てるのも、
また楽しというところではありますが。

さて、今回紹介させていただく「香港ゾンビ」もそういった感じで、
わりと適当な邦題を付けられちゃった系の作品といえるでしょう。

コレ系のご当地ゾンビ的タイトルのつけられたものは、
ぼちぼちあったりする訳ですが、あまりにざっくりとし過ぎてて、
まるで内容の想像がつかないのが特徴です。

以前紹介させていただいた「ゾンビ大陸アフリカン」も
邦題センスとしては近い系統と言えますね。
ただこちらは「広大なアフリカの原野をゾンビがふらふら歩いている…」
みたいな、まさにパッと浮かぶイメージそのまんまな
内容でもあったりする訳ですけれども。

「香港ゾンビ」の方は百万ドルの夜景とも九龍城とも無縁ですし、
別にカンフーの達人や鼻の赤い老師匠が出てきたりもしません。

…我ながら香港に対してのイメージが貧困過ぎて泣けて来ますが、
まぁそういうざっくりと香港と言われて思い浮かぶそれこれとは、
あまり縁のない内容だと考えていただければ問題ないかと思います。
ビーが持ち歩いているGBカメラに時代を感じます
さて、そんな「香港ゾンビ」の簡単なあらすじをば。


モーディとビーは違法DVD店に務めるサエないチンピラ二人組。
どこへ行っても揉め事ばかり起こし真面目に仕事もしない二人は、
ある日修理工場からボスの車を受け取って帰る途中、
突如道路に飛び出してきた軍服の男を轢き飛ばしてしまう。

瀕死の男はうわ言のように「ボトルを…」と繰り返すので、
二人は近くに落ちていたボトルの中身を飲ませてやるが、
男はそのまま意識を失ってしまう。

事故の事を隠すために二人は男を車のトランクに積み込み、
とりあえず仕事場であるショッピングモールの駐車場へと戻る。

しかし少し目を離した間に酷い異臭を残して、
トランク内から男の姿は消えていた…

それが異変の始まりであった。


とりあえずここまでが導入部な訳です。
あらすじでは省いてありますけれど、ここまでの流れで
すでにゾンビが発生する原因については劇中で明らかになっています。
ですので観ている側としてはこの後どうなるか?は、
ここの段階でもう考えるまでもない状態なのですね。

しかしこの映画、まだもうしばらくの間、
モーディとビーのしょうもないチンピラ生活描写が続きます。

折角修理した車をぶつけてしまったのを誤魔化す為、
その修理賃を得る為に女子トイレに侵入して強盗を働いたり、
自分たちが襲った女の子、サイギュンから強盗を捕まえるのを頼まれ、
その見返りということでモール内のお寿司屋さんに飲みに行ったり、
質屋のコイから窃盗の容疑をかけられて
おかしな警察官から執拗な取り調べを受けたり…

一応平行して徐々に異変が起こりつつある事も描かれてゆきますが、
基本的に主人公二人組の行き当たりばったりチンピラライフを
主軸としてお話は進んでゆきます。

だいたい尺の半分程度はそういうノリですが、
その間というのは登場人物紹介に割いていると考えていただければ
良いのではないかと。

そういう意味ではわりと丁寧なお話運びと言えます。
質屋のコイのしょぼい男っぷりも見どころです
最初の方のちょっとしたやりとりが後で利いてきたり等、
適当なようでいてお話は結構考えてある感じは受けますね。

基本的にコメディですので、全体的に軽い雰囲気が漂っているせいで
その辺りの細かい部分の仕事が見え難くなっている感じはありますが。


さらに言えばこの映画、どこか物悲しさを漂わせています。

器用に生きる事のできない者の孤独感とでも言いましょうか?
特にビーの屈折にそこの部分が集約されている感じです。

他にも寿司屋の報われる事のない純愛であったり、
質屋のコイ夫妻の関係であったり、
ゾンビ映画の中心はやはり人間側のドラマであるという
そういう大前提はきっちり踏まえてある内容となっています。

ラストも必見です。

別バージョンENDの方は別に観なくても全然OKですが。


ところで憎まれ役に当たる質屋のコイが夫婦連れだという部分は、
なんとなくですが「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」の
クーパー夫妻を意識している気がしますがどうでしょう?
コイ夫人とリメイク版のクーパー夫人は
どことなく雰囲気も似ている気がしますし。
そうでもない?そうですか…


それはさておき…
このように風変わりながらも王道的要素は踏まえてある
結構良い映画ではあるのですが、
如何せん特殊メイク等はかなりチープで、
かつ一度に登場するゾンビの数も多くなく、
舞台もかなり限定的な狭い範囲のお話ですので、
目に見えて低予算なのが伺えます。

そういう安っぽさを差し引いても光る部分も多い映画だと思いますので、
機会があるようでしたら是非手にとっていただきたく思います。

「スコット・ピルグリム」の映画や「ショーン・オブ・ザ・デッド」を
地味に先取りしているような部分も見受けられますしね。

なかなかにオススメの一作です。
夏の夜のお供にいかがでしょうか?


では今回はこんなところで。
お付き合いありがとうございました。
実はもう一人の主人公とも言える寿司屋ですが名前ありません
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