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過ぎ去りし日々のそれこれ
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今も夏休み冬休みといった時期になるとちょくちょく映画をやったりはしていますが、
一昔前は深夜から早朝にかけて、連日映画が垂れ流されていたものです。
しかも複数局で。


実際の統計を取った訳ではありませんけれど、そういった深夜放送で流される映画といえば、
だいたいカンフー映画か、ちょっとマイナーなホラー映画が多かった印象です。

メジャーどころはだいたい普通に夜9時や10時ごろにやっていた、
映画放送枠で流されていた訳ですが、そういった枠ではまず扱われないような、
マニアックなビデオスルー作品なども深夜に放送されたりしていたのですね。



丁度レンタルビデオブームとホラーブームが重なって、
大量に海外からホラー映画が入ってきた時期があったのですが、

夜中になんとなーくテレビをつけっぱなしにしていて、
適当にチャンネルをカチャカチャやっていれば、
そういった流れで入ってきたようななんか見たことも聞いたこともないホラー映画にぶつかったりなんて、
そんな事もままあった訳です。

そうです。
深夜放送はその昔重要な映画との出会いの場だったりしたのですね。

一応深夜とはいえ、TV局が放送権を取得して流している訳ですから、
それなりに選定もされた上で流されている訳で、
レンタルビデオ屋などで一本釣りするよりは、
ずっと当たり率の高い感じで出会いの場が提供されていた時代があったのです。

まあ今も有料チャンネルにさえ加入していれば、
そういった出会いが十二分に出来る場たりうる訳ですが、
なんといっても当時は電気代以外はタダでしたからね。

手軽さで言えば段違いです。


さて、aVAshiriと今回紹介させていただく映画も、
そんな感じで深夜放送でファーストコンタクトを果たした映画です。

兄と二人で片田舎の墓地へ母親の墓参りにやってきたバーバラは、
そこで突如奇怪な男の襲撃を受ける。

バーバラを助けようとした兄は男ともみ合う内に死亡し、
通りすがりの男に助けを求めようとするも、
それもまたふらふらと夢遊病患者のようにバーバラへとにじり寄り、
さらに襲いかかろうとしてくる。

必死に兄の車の中へと逃げこむバーバラであったが、
残念ながらキーが見つからず車での逃走は断念せざるを得ず、
不慣れな土地を逃げまわるうちに一軒家へと辿り着く。

都市部から逃げてきたベン。

そしてすでに一軒家の地下に身をひそめていた、
家主の従兄弟であるトムとその恋人ジュディ。

さらに重症を負った娘を連れてここへ避難してきて、
同じく地下室に隠れていたクーパー一家。

電話も使えず、足となる車も使えず、
孤立無援となった一軒家の中に集まったこの7人。

やがて日は落ち、恐怖の夜が始まろうとしていた。


タイトルとあらすじを見てすでにお気づきと思いますが
今回はめずらしく普通にメジャータイトルです。

ただし。

1968年のオリジナル版ではありません。
リメイク版の方です。


さて、またも長い長い前置き部分で語った通り、
aVAshiriの初見は深夜に放送されていた物だった訳ですが、
最初そうとは全然気が付かなったのですね。

「「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」は白黒映画」という、
そういう頭でいましたし、例によってアンテナ低すぎてリメイク版が作られていた事も知らなかったのです。

しかも最初から観ていた訳でもなく、チャンネルを適当に回していて偶然発見し、
だいたい中盤辺りのすでに籠城が始まっているところから見始めた為、
「なんか微妙筋立ては知ってるような気がするけども…?」という、
そんな感想だったのですが、徐々に終盤に向けてリメイク版特有の改変部分の比率が増し始めるので、
結局「あぁまぁゾンビものの筋立てって似た感じの多いしねー」と、
なかなかの大ボケっぷりをかましたまま終わりまで観た挙句、
ついぞこれが「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」だとは気づかずに、
「へー知らん映画だけどなかなか面白かったにゃー」とか全然別映画として認識するに至った訳ですからとんだ馬鹿者です。
(後日はりきって「こんな映画観たよタイトル知らないけど」とかそんな話をして恥をかくのはまた別の物語…)

まぁそもそも登場人物の名前で気づけって話ですよね。ハイ。

…えぇと、そんなアホアホな話はどうでもいいとして。


本作はゾンビ映画の元祖とも言うべき作品のリメイク版に当たる訳ですが、
低予算のインディーズ作品として作られた元祖と異なり、きっちりとメジャー映画として作られており、
色々な面でブラッシュアップされています。

単に「顔色の悪い人」から一歩進んだゾンビたちの造形もそうですが、
何より物語の部分についても冒頭部分から登場するバーバラをきっちり主人公として据えて再構築されており、
筋立てを追い易くしてあります。

あとアレですね。
もともと持っていた黒い部分がわりと前に出てきている風でもあります。
「ゾンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)」と「死霊のえじき」の後という事で、
その辺りの変化については分り易いですね。

そしてこの後何年か先に「ランド・オブ・ザ・デッド」が控えているというのも、まぁ判る気がします。

やはりこの極限状態の中で人間がどう立ち回るか?の物語なのですよ。
ゾンビ映画というのは。

単なるモンスター映画とはまた違うジャンルなのです。
(そっちに振り切った物も楽しいですけれどジャンルはまた別になる気がするのですね)


元になった映画が大昔の物ですので、色んな意味でシンプルな映画ではありますが、
元々が古びれない題材を扱っている事と、アレンジ部分がなかなかに良い方向に作用していて、
あまり古さ感じさせない映画として出来上がっています。

すでにこれが撮られてから20年以上が経過している訳ですが、
特殊メイク等についても今見ても見劣りしないレベルで、実に良い仕事をしてくれていますしね。
本作の監督であるトム・サヴィーニさんの本業もそちらですし。

まさしくリメイクのお手本のような映画ですけれど、案外評価が伴っていない気がします。
といいますか、わりと日陰の存在な気がするんですね。

早くからソフト化もされていて視聴ハードルも低めなのですが、
どうにも「リメイク」という言葉に伴う先入観があるのか、
あまり手に取ってもらえていないのでは?と、
そんなイメージがあったりするのです。

そんなものはaVAshiri個人の思い込みかも知れませんけれど、
この映画はもっともっとゾンビ映画のスタンダードとして、
相応の地位を確立してよい作品だと思います。

最後の方の展開でちょっとスカッとする部分こそありますが、ちょっとした「しこり」を残すような映画でもありますので、
そこの部分の好みは分かれるかも知れませんけれど、これこそがゾンビ映画というジャンルの本質では?
とも言える物が凝縮されているラストでもありますので、未見の方は是非とも一度お手に取っていただきたいです。


そして例によって自分を当て嵌めて、色々な「if」を考えたりしてみてください。

シンプルなだけに噛み締め甲斐がありますよ?


では今回はこんなところで。
お付き合いありがとうございました。

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