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過ぎ去りし日々のそれこれ
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実に「いまさら」な感じでDLBLOGの方で書き溜めていた
幻想目録をお引越ししてみました。

これらはもともとURBANCHIMPON関係のネタが一段落した後にちょっとした遊び気分ではじめたもので、素材集の制作へと繋がったものです。
再掲に辺り、記事冒頭部にあったaVAshiriの近況報告的な駄文は
すべてカットしていますが、本記事にまつわるものについてはそのままに
してあります。

ですので、これのみ読んで「うん?」と思うような所があっても「この時はそういう感じだったんだな~」ぐらいの気分で流していただけると幸いです。
GOBLIN NO.000
ゴブリン
GOBLIN

 
子鬼とも称される妖精の一種。
”祝福されざるもの”の中でも最もポピュラーなカテゴリーであり、
身体の大きさや特性など多彩な”個性”を有する種であるが、
一般的にゴブリンと呼ばれるものは醜く小柄な姿をしたものを指す場合が多い。

 粗暴かつ欲求には忠実で、実にシンプルな思考に
支配された種族であるが、決して知能は低い訳ではなく、
様々な武具や時には魔法を使い熟すものも当たり前に
存在する。

 しかしその知性に訴えて交渉事をしようとは考えてはならない。

妖精特有のきまぐれとでも言うべきか、
彼らは大概約束ごとと真逆の行動を取ろうとする。

つまり容易にそれを反故にし、裏切るのだ。
しかも彼らのそんな”悪戯心”は十中八九命に関わる。


 …さて、突然モンスターの解説が始まったりしてさぞナンジャコリャ?と
思われた事でしょう。

世代が世代なもので、ドット打ちをしているとやはりこういった物を
描きたい衝動に駆られてしまう訳なのですね。

 まさにこのゴブリンもそういった理由で描いてみたものな訳ですが、
ただそれをほいと公開するだけではあまりにも味気ありませんので、
当時の攻略本やモンスター事典風の解説を載せ、
Fuck Me Computer Magazineの記事同様に、
これまた当時の空気感みたいなものを再現してみたという訳なのです。


 右を見ても左をみてもRPGというような時代。
aVAshiriは当然RPGそのものも大好きでしたが、それ以上に
攻略本のモンスターのページをぼーっと眺めるのが大好きでした。

少ない色数とシンプルな描画で表現されたモンスターたちは、
とてもイマジネーションを刺激して、本当に観ていて飽きないのです。
さすがに当時はまだまだ脳ミソつるつるで、それほど深く考えては
いませんでしたが、実に日本人的な見立ての文化がそこに
生きているような気がします。


 そういった先人たちの偉大な仕事にはまるで及びませんが、
今後しばらくはこういった感じで8Bitゲーム風のモンスター画と、
その解説などをだらだらやって行こうかな~などと考えている訳です。
ある程度数が溜まったら、まとめてフリー素材集などどうかな?
なんてことも視野に入れつつ。

合間に何か別の事に関心が行けば、また違う事を始めるかもしれませんが、
よろしければお付き合いくださいね。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。
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GHOST NO.025
ゴースト
GHOST

 「幽霊」または「亡霊」などとも呼ばれる不死の怪物。

彼らは「場」に焼き付いてしまった思念の燃えカスのようなもので、主に恨みなどと言ったネガティブな感情の残滓である。

 その姿かたちも焼付きの強さによって様々で、生前とほぼ違いのない状態のものもあれば、手や顔といった部位のみの場合もあり、その何れにせよ霧や靄を通した光のように、薄ぼんやりとしていて朧気なとらえどころのない状態で現れるというところは共通している。

ただ、どれだけ姿かたちがはっきりと人間の体を保っていたとしても、ゴーストたちには思考能力というものはなく、己を支配する狂おしいまでの渇望、つまりその誕生の種火となった悪意をそのまま垂れ流す事しか出来ない。

所詮は強烈な思念の残り滓でしかなく、意思疎通を試みることのできる相手ではない。


 当然であるが彼らに肉体と呼べるものはなく、直接的に打撃を与えたり物理的に触れたりする事も叶わないが、彼らの目視できる「像」、つまりその支配領域に生き物が接触してしまうと急速にエネルギーを奪われてしまい、凍傷のような状態を引き起こしてしまう。

それは彼らがネガティブなエネルギーの塊であり、本質的にこの世の生物とは異なる理の上に成り立っている存在であることの表れなのである。

また、感覚的に鋭敏な者や精神力の弱い者は彼らの負のエネルギーに同調してしまい、狂気に支配されてしまう事も多いので、つねに強い意思を持って向かい合わねばならない敵である事を忘れてはならない。

狂気に引かれてしまった者はゴーストに同化され、操り人形となってしまう恐れもある為、その前触れが見えた場合は早々に浄化を行うか、もしくは一時的に気絶させるなどして行動不能にしてしまうといった緊急的な対処が必要となる。


 すでに述べた通り、彼らは討ち滅ぼすべき肉体をすでに持たないので、基本的に不死であり、普通の武器などではその存在を完全に絶つ事こそできないが、物理攻撃で文字通り霧散させてしまう事で一時的ではあるものの無力化は可能である。

ただし、それはただの一時しのぎでしかない為、時間が経てばまた像を結んで活動を始めてしまうので、根本から絶つには聖職者による浄化か、もしくは魔法の力を持った武器の力が必要である。


 彼らは犠牲者を生み出し続ける事で、さらなる悪意の火種を飛び火させてゆき、その存在を強固なものにしてゆく。

やがてそれらは個々の悪意を飲み込みあって一塊となり、恐ろしい群体、レギオンと呼ばれるさらに悪質な悪霊へと変質してしまうという。

そうなってしまうと最早散らす事も不可能となり、生半可な冒険者では手に負えない存在となってしまっているので、見極めには注意せねばならない。


 モンスターとしての知名度、認知度としてはおそらく最大級のもので、おそらくゲームなどに興味のない人でも知っているレベルではないかと思います。

ただ、その解釈や捉えられ方の振れ幅も大きいモンスターではないでしょうか?

ゴーストとはすなわち幽霊であり、その幽霊というものに対しての認識が、そのままこのモンスターのイメージとして反映されるのでしょうけれど、ゲームなどに登場してくるのは大別してだいたい以下のような、

①シーツやボロ布をあたまから被ったような漫画的なスタイル。

②顔などがくっついているが、とらえどころのない不定形っぽい発光体のようなスタイル。

といった2種類の分類できる感じですね(aVAshiriは後者を採用しています)。
比較的リアルな世界観の場合は後者。そしてややコミカルな雰囲気を持つ作品の場合は前者という感じで採用されている感じが多いようですが、ボロ布の中に発光体という組み合わせパターンなどもよく見かける気がしますね。

どちらにせよ実際の幽霊(恐怖映画や怪奇番組やなどに出てくるような)のような、完全に人間寄りのデザインのものはあまり採用されていないようです。

はっきり人の姿をしていると一目で幽霊であるという事が分かりにくいというところもあるでしょうし、背景の物語がわからなければそういう姿かたちである事も、もう一つ活かせない感じでしょうから、徘徊モンスターとしては扱い難いという理由からそうなるのも仕方ない事なのでしょう。

実際、シナリオに絡んでくる場合は生前の姿のままの幽霊が登場してくる場合がありますからね。
そこは用途に併せての使い分けをされているという感じなのだと思います。

 あとその存在についても様々な解釈があり、ポピュラーなものは肉体から離れて死後成仏できない魂が怪物化した…というものですが、ここでは少し捻った解釈を採用しており、死の際に『場』に強烈に焼き付いた感情の残滓がかたちを成して怪物化したものという定義をしてあります。

これは、中国の『魂魄』という考え方を参考にしたもので、それは死後天へ昇る精神を司る『魂』と、姿かたちを司る『魄』という大きく分けて2つの要素から霊というものが構成されているという考え方なのですね。

まぁ上の説明は実にざっくりとした概要な訳ですが、霊というものは複雑かつ多用な要素で構成されており、死を迎えた際、その有り様によって地に残される『魄』の部分から鬼(悪霊)が生まれるという話が今回の解説の下敷きになっています。

また、悪霊は次第に個を失い群体化するというのも元ネタがある話で、霊という存在は人が向き合ってきた歴史が深い分様々な説や物語が残されているため、面白いネタに事欠きません。


 ちなみにですが、今回はデザイン的にも元ネタがありまして…
幼少期にトラウマとなったゲームブックの某モンスターの挿絵を参考にしてあるのですが…

おわかりいただけたでしょうか?


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。

※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

 
NEEDLE FISH NO.024
ニードルフィッシュ
NEEDLE FISH

 この世界には数多くの恐るべき生き物が生息しており、冒険者たちにとっての脅威として立ちはだかってくる訳であるが、中には悪魔的な知恵により生み出された人工的な怪物も多数含まれ、その特徴としてミミックなどを例に挙げるまでもなくきわめて悪趣味かつ悪意に満ちた生態を持つ物が大半を占めている。

ニードルフィッシュと呼ばれるこの怪魚もまた、「より大きな危害を齎せるように」と、むき出しの悪意のままにデザインされた存在であり、生き物としての在り方を捻じ曲げられた怪物である。

 元々からして彼らは漁師たちからも恐れられる危険生物ではあったのだが、邪悪な魔術師たちはこぞってその危険性に磨きをかけ、芸術的とも言える「生きた凶器」を生み出す事に成功した。

全長は元の1.5から2倍に及ぶほどに大型化し、ギラギラと輝く全身はその見た目に違わぬ固さを備えるに至り、もはや『針』どころではなく『槍』とでも呼ぶべき体躯を誇る。

そして大きく発達しトビウオのようになった胸鰭により従来より高く、遠くへ飛ぶことが可能となり、さらに、ごく原始的なものであるが肺を与えられている為、乾燥には弱いものの呼吸に左右されず水から離れて活動する事も可能となった。

これらはすべて、如何にしてこの危険生物をより広い範囲で有効活用するか?という一点のみで施された工夫の賜物であろう。

 もともとは海に住んでいた種を改良したものであるが、水質を問わず適応できるよう調整されている為、ニードルフィッシュの多くは侵入者に対する番犬ならぬ番魚として迷宮や洞窟などの地下水流に放流されており、その水源周辺を生息圏としているのが主である。

元来からある習性に習い、彼らも光に反応して攻撃行動を行うので、松明やカンテラなどという光源を片手に暗い地下道を移動する冒険者たちを迎え撃つには格好の存在なのだ。

安易に地下水道近くにキャンプを張ろうとしようものなら、凄まじい速度で水中より飛び出してきた彼らに何が起こったかもわからないまま絶命させられてしまう事であろう。

 ニードルフィッシュの最大の脅威は不意打ち気味に襲い掛かってくる必殺の一撃であるが、その恐るべき早さの強襲を避けたとしても注意せねばならない。

十分に推力を乗った水中からの初手に比べると速度こそ落ちるが、彼らの靭やかで強靭な身体は滑空するには十分な高さを飛び跳ねる事が可能な力を備えており、二度、三度と魔弾は襲い掛かってくるのだ。

また、その貪欲さと凶暴性を体現するような牙は鋭い顎先に負けず劣らずの威力を持っており、革鎧程度であれば簡単に噛み破ってしまうほどであるという事も覚えておくとよいだろう。

 顎先にしても牙にしても、一度捕らえられてしまうと引き剥がすのは困難であり、ただ力任せにそれを行おうとするとより深く食い込むべく激しく身体をくねらせ始めるため、却って傷口を広げる結果となるのでそこも注意せねばならない。

 害意そのものが形となったような怪物であるが、生き物としては見た目ほどに頑丈な部類ではないのがまだ救いであり、行動パターンも単純であるため落ち着いて対処する事ができれば大きな被害を出す事もない相手とも言えるが、奇襲戦法を常とする彼らと遭遇して常に沈着冷静でいることができるかといえば、それは困難な事なのかも知れない。


 さて今回は”ほぼ”オリジナルモンスターと言ってよい感じのものです。

”ほぼ”というのは、ニードルフィッシュじたいは決して架空の怪物などではなく、実在する生き物であり、それを脚色してモンスター化しているからなのですね。

「ダツ」といえばピンと来る方も多いと思いますが、恐怖画像などでweb上でも認知度を上げつつあるあの殺人魚を膨らませてみた感じなのです。
(まぁ英名そのまんまの名前になっていますが)

 ゲームに登場する魚系モンスターといえば、だいたいピラニアかサメといったものがモチーフになったものが多い印象ですが、恐ろしさで言えばダツもかなり上位に食い込む存在感を放っているのではないでしょうか?

実際、漁師さんなどの間ではサメより恐れられているだとか、サーフボードをぶち破って来るとかもうそういう話だけでもモンスターじみている気がします。

 殺人魚といえばフライングキラーという映画(某大御所監督のデビュー作品ということになっているので、ご存知の方も多いかも?)を思い出したりもする訳ですが、今回紹介しているニードルフィッシュにも多分にその影響が含まれている感じになっています。

ああいったB級ホラー映画に登場するモンスター的なノリも、ゲームなどでポピュラーな伝承系モンスターとはまた違った魅力がありますよね。


 ゲーム黎明期にはSF小説や映画などといった他ジャンルからの引用がわりとよく行われていたものですが、近年は神話や伝承をより深く掘り下げ、その解釈を深めてゆく方向でモンスターが語られる傾向が強い気がします。

決してそれは悪い事ではありませんけれど、何もかもがその価値観一辺倒になることなく、自由な発想でアイディアをピックアップしてきてみたり、また飛躍させて好きにモンスターを想像してみるのも、一つの醍醐味としてあるのではないかと思ったりします。

個人の思いつきで生まれた創作モンスターが、何かのきっかけて後にジャンルの定番化してしまう…なんてことが起こりうるのも創作の面白さだったりするのではないでしょうか?

普段あれこれ細かい事をつらつら描き続けているaVAshiriが言うのも何ですが、もっと奔放でいいんじゃないかな?なんて考えたりするのですね。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

 
VAMPIRE BAT NO.023
ヴァンパイアバット
VAMPIRE BAT

 吸血コウモリを指す名であるが、ここで紹介するのは一般的なそれではなく、おそるべきモンスターと化した大型種についてである。

大きさとしては元の3~4倍はあり、その分群れの単位がコンパクトに構成されるようになったのか、あまり大きな群れを造らず、4体から多くとも8体ほどの1家族単位で群れを為す。

 基本的な習性は大型化しても大した変化はないようで、音もなく飛来してきて、巧みにお目当ての血管を探り当て、痛みさえ感じさせる事のない鋭い切れ味を持つ牙で傷を付けて血を啜る。

もともと飛翔が困難になるほど大量に血を飲むのであるが、このサイズのヴァンパイアバットによって同じように吸血された場合、血が固まりにくくなる成分を含んだ唾液の効果も合わさり、重度の貧血状態に陥ってしまう事であろう。

 ただし大きくなったとはいえ生き物としての脆さは変わらず、飛翔能力の代償として軽量化された身体はまるで戦闘には向かず、自慢の鋭い牙も正面切って戦う武器としては些か頼りないと言えよう。

彼らが真価を発揮するのはあくまで闇討ちや不意打ちであり、それにさえ警戒していればさして恐ろしい敵ではない。

とはいえ、まるで物音一つ立てず忍び寄る彼らに寝込みを襲われてしまった場合、状況次第ではそのまま失血死してしまう恐れもあるので、彼らの生息圏内では夜間の見張りには神経を尖らせておく必要があるだろう。

そしてもう一点注意すべき点としては、大ネズミたちと同じように彼らもまた恐ろしい伝染病を媒介する可能性が高い為、ほんのかすり傷程度でも適切な処置が必要である。

『ヴァンパイア』の名は単に血を吸うからという理由のみで与えられてはいないのだ。

 
「ヴァンパイアバット」というと、いわゆるチスイコウモリと呼ばれるコウモリを指したりする訳ですが、こちらで取り上げるのは当然モンスターですので、説明文でもある通り、それら実在のコウモリではなく、あくまで「モンスターとして」のヴァンパイアバットについてお話をしましょう。

 さて、コウモリというと真っ先に思い浮かぶのは例のおとぎ話だと思いますが、そこから受ける印象や、見た目の不気味さから、コウモリは多くのゲームにおいて敵キャラクターとして登場して来ます。

そしてその多くで、ひらひらと飛び舞う軽やかな有様や、狂犬病などを媒介するという事などから、素早い上に毒などの状態異常を引き起こす序盤の難敵という位置づけで扱われる事が多いようです。

 また、何かしら冒険を題材とするアクションゲームにおいてもコウモリは高確率で登場し、やはりその飛翔能力をフィーチャーされてクセのある挙動で襲い掛かってくる、場合によっては生半可なボスキャラよりも恐るべき敵として立ちはだかってきます。

さらに、その容姿も頻繁に悪のシンボルマークのデザインとして使われたりもしますし、とあるヒーローなどは「恐怖の象徴」として、コウモリのデザインのコスチュームを身に纏ったりしていたりもする通り、コウモリにはそういったネガティブな悪魔的イメージが絶えず付き纏っています。

 考えてみれば他の肉食の猛獣や、猛毒を持った蛇や、生活に密着したねずみなどの害獣というものと比べると、人がコウモリに受ける被害などたかが知れたものではないかと思う訳ですね。

確かにチスイコウモリなどは人間の血も吸いますし、家畜などにも被害を及ぼす害獣です。
が、一般的な多くのコウモリは虫や果実を食べる種が主で、伝染病を媒介するとはいっても積極的に人を襲う動物ではありませんので、能動的に接触を図ろうとでもしない限りその被害にあうことも少ないのではないでしょうか?

 実際、古い時代においてはあまりネガティブなイメージで語られる動物ではなかったらしく、吸血鬼や悪魔などと関連付けされたのは比較的近代になってからで、やはり関連付けられたそれらと同様に宗教的な原因が大きいのだと考えられます。

 ただ、コウモリを悪魔的なものだと捉える気持ちも理解できます。
夜目の利かない鳥たちと異なり、日が沈むと共に表れて闇の中を飛び回る上、その姿も鳥とはかけ離れており、一見ねずみをさらに醜悪にしたような顔つきをしています。
また、逆さに張り付いて羽を休める姿も、他の生き物にはあまり見られない特徴ですし、昔の人たちの目にはとても奇異な生き物として映った事でしょう。

 「悪魔」や「吸血鬼」という概念が一般化した後であれば、闇夜を踊るように飛ぶこの奇怪な生き物は、この世ならざる世界から来た得体の知れない怪物で、呪われた存在であると感じるのは自然のなりゆきなのかも知れません。

つまり、手足もなく動き回り、皮衣を脱ぎ捨てて生まれ変わる蛇に対し、人がかつて神や魔を見たそれと同じように、コウモリの生き物としての異質さが後の不遇を決定づけたのかも知れません。

多くの悪魔の背中には、コウモリと同じ飛膜が与えられているのを見るに、悪役的デザインとしてとても秀逸であったというのも運の尽きだったのでしょうね。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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