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過ぎ去りし日々のそれこれ
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OGRE NO.015
オーガ
OGRE

 天と地が今ほど離れていなかった遠い昔、豪胆かつ奔放であった創世にも関わった古い世代の神々は、己が情欲に任せて様々な生き物と交わり、その落とし子を数多く残したという。
神の優れた資質を受け継いだそれらの半神たちは輝かしい英雄となる者も多くいたのだが、『力』という毒酒に悪酔いして恐るべき怪物となるものも決して少なくはなかった。

 彼ら、オーガと呼ばれる野蛮きわまりない種族たちも、元はと言えばそういった神々に連なる者たちであった。
だが、彼らは英雄となる道を選ばず、その衝動に任せて神から受け継いだ力を行使する事に喜びを見出した末に恐るべき暗黒の住人となり、ついには他種族の赤子をも容赦なく喰らい殺す悪鬼となり果てた。

 姿かたち的には犬歯が大きく発達しているのが目立つ程度で人間とあまり大差はないが、全身の筋肉が大きく発達したその身体は平均的な成人男性の軽く2~3倍はあり、素手で巨木の幹を捻り折るほどの腕力を誇る。
ただし、野蛮な生活にながく浸るうちに知性面で大きく後退してしまったのか武具の扱いについては苦手なようで、ある程度の技能が要求されるような刃のついた武器などよりも、単純に力任せに扱える棍棒などといった原始的なものを好んで使う傾向にある。

この通りオーガの戦法は力押し一本槍であるが、その圧倒的腕力とタフネスに裏打ちされたそれは、小手先の戦術や技量などゴリ押しで押しつぶせてしまうほどの猛威たりうるので、交戦時には重々注意せねばならない。


 他の悪鬼たち(オークなど)同様に暗黒の勢力側の雇われ兵士などをして戦場を渡り歩いたり、人里から離れた山野や洞窟に一族単位で集落を設け、原始的な生活を送っている者が主であるが、旧来の半神としての資質をまだ色濃く残している一握りほどのオーガたちは、その優秀な知能と、超常的な力を操る術を用い、時には魔王などとも呼ばれ、暗黒の勢力を束ねる支配者として宮殿などを構えたりしている。

一般的なオーガはその粗暴さや知性のなさが露骨に顔からも伺えるのであるが、そういった支配階級のオーガたちは揃って丹精な顔立ちをしていおり、その輝かしい血統の縁を感じさせる。
しかし当然その性質は残忍かつ強欲であり、所詮は彼らも英雄になれなかった怪物の末裔でしかないのだ。


 
オウガ、オグレ、オーグルなどとも呼称される人喰い鬼ですね。
某ネトゲではプレイヤーキャラとしても選べますし、人型モンスターとしてはかなりメジャーな部類ではないでしょうか?
おとぎ話などにも悪役で頻繁に登場してきますし、おそらくは大概の人が一度はその存在について何かしら触れたことがあるのではないか?という感じのモンスターです。

ゲームなどに登場する場合、『鬼』という部分に引っ張られているのか、原始人ルックの野蛮な悪鬼という扱いのものが多いようではありますが、おとぎ話などに登場する場合はわりと普通に服も着ていて、しっかりとした家や屋敷を構えている上に、結構な財産持ちだったりするケースが多く、知恵モノがそれを懲らしめて何かしら財などを手に入れるという展開が大凡のテンプレというところを観る感じ、立ち位置的にはドラゴンや巨人と同じ系譜の存在と言えるようです。

ドラゴンや巨人はもともと神に相当する存在だった訳ですが、そういったまだまだ神的威厳や脅威を保った状態のモノから、さらにもう一段低い立場に追いやられた妖精や、矮小で性悪な子鬼などといった種族の中間点にいる存在が、おそらくこのオーガだったりするのかも知れません。

日本でもまさしく鬼であったり、山姥、天狗などといった知恵モノに退治される話の多い妖怪がいますが、これらのルーツが大凡過去何かしら権威を持った存在であったことを匂わせるように、オーガもまた影の歴史を担う存在であり、その中でも比較的その元の臭いを強く残した状態のものだったりするのかも…などとも思ったりします。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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KOBOLD NO.014
コボルド
KOBOLD

 オーク、ゴブリンと並んで暗黒の勢力の尖兵としてはポピュラーな悪鬼で、ゴブリンなどよりも更に小柄であり、口吻が前に長く突き出した犬のような面構えをしているのが特徴である。
意外にも体毛のようなものはなく、鈍く青びかりする小さな鱗が全身を覆っており、その名前の由来ともなっている。
成体となった雄は頭部に一本ないし二本の短い角を有しているが、先端が特別鋭利でもない為攻撃手段としては用いられる事はなく、単なるセックスシンボル的なものに過ぎない。

 現在は山奥の洞穴などを主な住処としている彼らであるが、元々は民家の床下や屋根裏などに隠れ住み、人知れず家事や野良仕事の手伝いをしたり、時には害獣や泥棒などといった外敵から家を守ったりしては、住人たちから僅かばかりのお供え物を与えてもらって生活していた妖精をルーツとしており、時代と共にその素朴な信仰のようなものが廃れて忘れ去られた末に山野へと追いやられてゆき、零落して今のような有様になったとされている。

しかしそうやって”祝福されざるモノ”となった事で、はっきりとしたかたちを持たない曖昧な影のような存在に過ぎなかった彼らが具体的な姿かたちを持つに至ったというのは実に皮肉な話であるが…

 その元々の気質故か、勤勉で器用な種族であるのだがきわめて臆病な面があり、有事の際の士気そのものは総じて低く、ちょっとした事ですぐ戦意を喪失して悲鳴をあげて脱兎のごとく遁走してしまうため、彼らは戦力としては勘定されず、その性質とその機敏で小さな体躯のみを評価され、戦場では主に斥候や伝令として徴用されている。

 地下迷宮などでも浅い階層の警邏させられている事が多いため、冒険者が最初期に遭遇し易い相手でもある。
先に述べた通り、あまり戦闘には深入りしてこず、こちらが反撃の意を見せるだけで逃げ出すケースが大半ではあるのだが、逃走を許してしまうと入れ替わりに奥で控えていたオークやゴブリン、時にはオーガやトロルといった難敵が押っ取り刀で駆けつけてくる場合もあるので、できることならばそうならぬよう、早期決着を心がけるのが望ましい。


 これもまたポピュラーなザコ敵です。
最近は爬虫類寄りの解釈もあったりするようで、そちらの要素も内包するような方向で解釈してみました。

 尤も、犬人間的な外見というのもゲーム発祥であるという説があり、伝承的由来というのも、もうひとつ不明なのだそうで、今浸透しているコボルド像というのは、大元の伝承などからは完全に切り離されて独り歩きしている状態と言ってよい感じなのかも知れません。


 さて、解説の方でも少し触れているのですが、その名前の由来は鉱物(コバルト)から取られており、その絡みからドワーフなどと同じ鉱山に関連した妖精であるともされています。
さらに名前の由来で言えば、ゴブリンという名前も同じくコバルトを語源としているといった解釈もあるようですので、起源的には繋がりがあるものだったりするのでしょうね。

 コボルドがもともと座敷わらしのような役割の、家に居着く妖精の類だったのと同じように、ゴブリンもベッドの下であったり家具の隙間であったりといった家屋の暗がりに潜み、気味の悪い音を立てたり、家人に悪さをする妖精として扱われていたりもしますので、元々は同じ妖精であったもののネガティブな要素が切り離されて個別の存在となったという解釈ができるのではないでしょうか?
コボルドもその扱われ方によっては家に災いをもたらしたりするそうですしね。
そういう『害』の部分がゴブリンを生み出したのかも知れません。

           参考までに水木しげる先生版のコボルトです。
         ※小学館入門百科シリーズ76 妖怪《世界編》入門より


 しかしそれが時代と共に人里から追いやられて、結局同じような性質を持つ悪鬼として扱われるようになるというのも少し不憫な感じではありますが…

ただ、爬虫類的な解釈とは別に、犬人間的な部分が拡大解釈される感じで、完全にもふもふなケモ種族として扱われる事も多くなってきているようで、元来の友好的な妖精としての側面も相まって「単なる序盤の雑魚キャラ」からは脱却しつつある空気もあるようです。

「小柄でもふもふで働き者で少し人見知りな犬人間」という感じで要素を抽出してみれば、これは相当美味しい種族なのではないでしょうか?
なんてことも思ったりします。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

 
LILLIPUT NO.013
リリパット
LILLIPUT

 
 人が神々の手より、叡智の象徴たる炎を手にしてから幾星霜。
その光は幾多の海を、大地を、そして高き山の頂きを照らし、世界の大半を顕なものとした。
だが未だそれを拒み続ける暗黒大陸と呼ばれる一帯がある。

 灼熱の荒野を中心にそれを取り巻く昼なお暗い密林と、さらにその周囲を万年雪を称える剣山の如き山脈が聳え立つかの地には、当然数多くの冒険者が挑んでいるのではあるが、今現在に至るまでまともな成果は出せないままに終わっているのだ。

その理由にはその獰猛とも言える自然環境含めて様々な理由があるのだが、ある一族の存在も大きく寄与している。

 彼ら一族、リリパットと呼ばれる小さな種族はもともと森に根付く妖精的な存在であり、陽気で非常に平和的な性質のものであったのだが、開拓者を自称するならず者連中からの度重なる裏切りと、略奪行為に晒され続けるうち、
すっかり頑なで残忍な暗黒大陸の番人へと変わり果ててしまった。

 集落を荒らされ、一族を汚され、時には命を奪われ、好意を散々踏みにじられ続けた彼らは、
今やその敵意を自分たち以外の全ての種族へと向けており、もはやかつての人懐っこい有り様など想像がつかないほどの恐るべき脅威でしかなく、
一度交戦状態に陥れば、どちらかの生命が完全に尽きるまでその攻撃性を収める事がないのだ。

もともとからして彼らは暗黒大陸と呼ばれる過酷な環境下に生きる民であり、
一族の男子は槍一本で自分たちのゆうに5~6倍はあろう、
大型肉食獣と渡り合うほどの優れた戦士であるのだから、それがむき出しの殺意を向けてくればどうなるか?など想像するまでもない。


 彼らは密林地帯に広く点在する集落を拠点として常に侵入者に目を光らせ、
発見次第襲撃し、それを狩るという活動を基本としているが、
他種族への憎しみが深すぎる一部の部族は、代々伝わる呪術によって
「森の道」と呼ばれる空間を通って暗黒大陸以外の場所に出没し、一族が味合わされた裏切りや屈辱の代償を、殺戮によって支払わせると言った話もある。


 この通り彼らは原則的に他種族は敵であると認識しており交渉なども不可能で、
間違っても手を結ぶという事はありえないのであるが、狩猟民族としての特性からか動植物の扱いには長けている為に、時折手懐けた猛獣を引き連れている事がある。

また、その行動が示す通り一族内の繋がりも非常に強い為に、窮地に陥るとどこからともなく次々と仲間が助勢に集まってくるので、交戦時には注意が必要であることを最後に付け加えておく。


 リリパットとは、『ガリバー旅行記』に登場する小人の国の名前で、元々は”ちっぽけ”といった意味合いの言葉なのだそうで、直接的に小人族などを指す固有名詞ではありません。

しかしいつくかのエッセンスのみを抽出するかたちで、「絶界に住む頑なな小人」というような風な感じのものとして扱ってみました。

直接的なイメージとしてベッカンコなアイツ+マッドメンといった味付けになっています。
一応、念を押しておきますが小さな人間としての小人ではなく、あくまで妖精的な扱いとしての小人族の一種(ベッカンコの人も実は妖精なのだそうです)
ですので、ゴブリンなどの亜種という風に捉えていただいてもよいかも知れません。
ゴブリンも多様な種族ですから、中にはこういう種族もいるだろうとか考えていただければ解釈的にも腑に落ちやすいような気もします。

 さらに念を押すという感じになりますが、ここでの説明文等はあくまでもaVAshiri個人の解釈を元に勝手に話を盛り付けて世界観を作っているだけのものですので、当然元のリリパット国の住人たちとは全然かけ離れたものになっています。

これはこれまで紹介してきた(そしてこれから紹介してゆく)他のモンスターたちについても同じくなのですけれど、「こういう世界観でこういう設定でモンスターが存在している」という閉じた世界の中での想定で、攻略本などの説明文風に解説してゆくという旨でやっている遊びに過ぎませんので、多少でも面白いと感じていただける部分があれば、一緒に楽しんでいただいたり、また摘んで利用していただくのも自由です。

少なくともこれが正しいとか、こうでなければならないというような事を強要するものでは断じてありませんので、ゆるーく捉えていただく事が肝要かと思われます。


おそらくこれが今年最後の更新になるかと思いますので、ちょっとした再確認ということで少し面倒くさい感じのお話をしてしまいましたね。

すみません。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


皆様よいお年を。

※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

 
WYVERN NO.012
ワイバーン
WYVERN

 
飛竜とも呼ばれるドラゴンの亜種。

 本家のドラゴンとくらべて体躯が小さく、成体でもドラゴンパピーより一回り小さい程のサイズしかないが、前肢がない代わりに大きく発達した飛翼を持つため飛翔能力に長ける。

 また、頭の方もドラゴンと比較して低下しているようで、魔法を操ったり、
言語を解したりするほどの知能はなく、賢さで言えば馬などと同程度だと言われている。

 もともとはとある国の王が、騎乗用にお抱えの魔術師に造らせた人工的な種であったが、手がつけられないほど気性が荒かったために放逐され、野生化したという発祥説があり、人の手で御し易いドラゴンを造り出すという過程で、種としての下方調整が行われたと考えれば、
その立派な見た目に反して大元のドラゴンよりも大きく劣る理由も納得できるであろう。


 しかし、格段に劣る粗悪複製品のようなものであるとしてもやはりドラゴンの一種なのだ。

サイズの小型化に伴い身体的にパワーを削がれてはいるものの、人間程度を相手どるならば、十二分なほど能力は備えている。

小回りの利く翼と、これもまた発達した後ろ足に備わる鋭い爪は、大の大人をミンチ肉の山に変えてしまうのに三分とかからないであろう。

加えて、これもドラゴン族としての能力の名残であろう、口から高温の火花を伴ったブレスを吐き出す事ができる。
もっとも本家のようにこれで相手を消し炭にする事こそ叶わないが、火花を浴びれば当然重度の火傷を負う羽目になり、さらには激しい閃光を伴う為に迂闊に直視してしまうと目をやられ、一瞬にして視界を奪われてしまう。

「所詮は亜種」と決して甘く見る事のできない相手ではあるものの、優れた飛翔能力の代償として、皮膚や骨格の強度に関しては見る影もなく低いものになってしまっているので、付け入る隙があるとすればそこなのであるが、機敏に頭上を飛び回るワイバーンに重心の乗った致命打を与えるという事じたい、きわめて困難な事と言えるだろう。


 余談であるが、猫に対するまたたびのような効果を発揮する薬草を用いてワイバーンを手懐け、騎馬隊ならぬ騎竜隊を組織することに成功した国もあるらしい。


 いいですよね、ワイバーン。実にかっこいいモンスターです。
もともと紋章用にデザインされたものだというだけあって、非常に均整のとれたデザインで、華がありますよね。

怪獣などにもこの系譜のドラゴン的な見た目の怪獣が多くいる訳ですが、空を飛ぶ怪獣として、前肢がない方が見た目としてもしっくり来るというところが大きいのでしょうね。
(怪獣というジャンル的にいえば、単純に恐竜(翼竜)の影響もあるのでしょうけれども)

ゲームというジャンルでも、ワイバーン的なドラゴンは多く、今回のワイバーンの画が青く塗られている原因となって某シューティングゲームでも、前肢のないタイプのデザインがドラゴンとして採用されています。
(当時、aVAshiriは「これドラゴンちゃうやんワイバーンやん!これじゃワイバーンスピリッツやん」とか言ってた嫌な感じのアイタタなお子様でした)

 昔は今ほど資料の種類も多くなく、しかも気軽に手に入れる事もできなかったせいもあってドラゴンの細かい種類分けなども浸透しておらず、かなり大雑把に扱われていた訳ですが、そもそもドラゴンという種じたいがわりと多種多様な外見、特徴を持ったモノを含みますので、前肢がなく翼発達している=ワイバーンという杓子定規な区切りで考えてしまうのも実のところナンセンスなのかも知れません。

 定義がどうだなどひとまず置いて、モンスターを生み出した神話や伝承よろしく、もっとおおらかに捉えてよいのだとaVAshiriは考えたりもします。
繰り返し出て来る話ではありますが、時代に併せ、その時々でその有り様が替わってゆくのもこれまたモンスター考証の醍醐味のひとつですからね。

まさしく想像の翼を自在に広げて、好きなように己(ワイ)の世界にバーンと飛び立てば良いのだと思うのですね。

…かなり強引ですね。なんかまたスミマセン。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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