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過ぎ去りし日々のそれこれ
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LILLIPUT NO.013
リリパット
LILLIPUT

 
 人が神々の手より、叡智の象徴たる炎を手にしてから幾星霜。
その光は幾多の海を、大地を、そして高き山の頂きを照らし、世界の大半を顕なものとした。
だが未だそれを拒み続ける暗黒大陸と呼ばれる一帯がある。

 灼熱の荒野を中心にそれを取り巻く昼なお暗い密林と、さらにその周囲を万年雪を称える剣山の如き山脈が聳え立つかの地には、当然数多くの冒険者が挑んでいるのではあるが、今現在に至るまでまともな成果は出せないままに終わっているのだ。

その理由にはその獰猛とも言える自然環境含めて様々な理由があるのだが、ある一族の存在も大きく寄与している。

 彼ら一族、リリパットと呼ばれる小さな種族はもともと森に根付く妖精的な存在であり、陽気で非常に平和的な性質のものであったのだが、開拓者を自称するならず者連中からの度重なる裏切りと、略奪行為に晒され続けるうち、
すっかり頑なで残忍な暗黒大陸の番人へと変わり果ててしまった。

 集落を荒らされ、一族を汚され、時には命を奪われ、好意を散々踏みにじられ続けた彼らは、
今やその敵意を自分たち以外の全ての種族へと向けており、もはやかつての人懐っこい有り様など想像がつかないほどの恐るべき脅威でしかなく、
一度交戦状態に陥れば、どちらかの生命が完全に尽きるまでその攻撃性を収める事がないのだ。

もともとからして彼らは暗黒大陸と呼ばれる過酷な環境下に生きる民であり、
一族の男子は槍一本で自分たちのゆうに5~6倍はあろう、
大型肉食獣と渡り合うほどの優れた戦士であるのだから、それがむき出しの殺意を向けてくればどうなるか?など想像するまでもない。


 彼らは密林地帯に広く点在する集落を拠点として常に侵入者に目を光らせ、
発見次第襲撃し、それを狩るという活動を基本としているが、
他種族への憎しみが深すぎる一部の部族は、代々伝わる呪術によって
「森の道」と呼ばれる空間を通って暗黒大陸以外の場所に出没し、一族が味合わされた裏切りや屈辱の代償を、殺戮によって支払わせると言った話もある。


 この通り彼らは原則的に他種族は敵であると認識しており交渉なども不可能で、
間違っても手を結ぶという事はありえないのであるが、狩猟民族としての特性からか動植物の扱いには長けている為に、時折手懐けた猛獣を引き連れている事がある。

また、その行動が示す通り一族内の繋がりも非常に強い為に、窮地に陥るとどこからともなく次々と仲間が助勢に集まってくるので、交戦時には注意が必要であることを最後に付け加えておく。


 リリパットとは、『ガリバー旅行記』に登場する小人の国の名前で、元々は”ちっぽけ”といった意味合いの言葉なのだそうで、直接的に小人族などを指す固有名詞ではありません。

しかしいつくかのエッセンスのみを抽出するかたちで、「絶界に住む頑なな小人」というような風な感じのものとして扱ってみました。

直接的なイメージとしてベッカンコなアイツ+マッドメンといった味付けになっています。
一応、念を押しておきますが小さな人間としての小人ではなく、あくまで妖精的な扱いとしての小人族の一種(ベッカンコの人も実は妖精なのだそうです)
ですので、ゴブリンなどの亜種という風に捉えていただいてもよいかも知れません。
ゴブリンも多様な種族ですから、中にはこういう種族もいるだろうとか考えていただければ解釈的にも腑に落ちやすいような気もします。

 さらに念を押すという感じになりますが、ここでの説明文等はあくまでもaVAshiri個人の解釈を元に勝手に話を盛り付けて世界観を作っているだけのものですので、当然元のリリパット国の住人たちとは全然かけ離れたものになっています。

これはこれまで紹介してきた(そしてこれから紹介してゆく)他のモンスターたちについても同じくなのですけれど、「こういう世界観でこういう設定でモンスターが存在している」という閉じた世界の中での想定で、攻略本などの説明文風に解説してゆくという旨でやっている遊びに過ぎませんので、多少でも面白いと感じていただける部分があれば、一緒に楽しんでいただいたり、また摘んで利用していただくのも自由です。

少なくともこれが正しいとか、こうでなければならないというような事を強要するものでは断じてありませんので、ゆるーく捉えていただく事が肝要かと思われます。


おそらくこれが今年最後の更新になるかと思いますので、ちょっとした再確認ということで少し面倒くさい感じのお話をしてしまいましたね。

すみません。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


皆様よいお年を。

※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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