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過ぎ去りし日々のそれこれ
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KOBOLD NO.014
コボルド
KOBOLD

 オーク、ゴブリンと並んで暗黒の勢力の尖兵としてはポピュラーな悪鬼で、ゴブリンなどよりも更に小柄であり、口吻が前に長く突き出した犬のような面構えをしているのが特徴である。
意外にも体毛のようなものはなく、鈍く青びかりする小さな鱗が全身を覆っており、その名前の由来ともなっている。
成体となった雄は頭部に一本ないし二本の短い角を有しているが、先端が特別鋭利でもない為攻撃手段としては用いられる事はなく、単なるセックスシンボル的なものに過ぎない。

 現在は山奥の洞穴などを主な住処としている彼らであるが、元々は民家の床下や屋根裏などに隠れ住み、人知れず家事や野良仕事の手伝いをしたり、時には害獣や泥棒などといった外敵から家を守ったりしては、住人たちから僅かばかりのお供え物を与えてもらって生活していた妖精をルーツとしており、時代と共にその素朴な信仰のようなものが廃れて忘れ去られた末に山野へと追いやられてゆき、零落して今のような有様になったとされている。

しかしそうやって”祝福されざるモノ”となった事で、はっきりとしたかたちを持たない曖昧な影のような存在に過ぎなかった彼らが具体的な姿かたちを持つに至ったというのは実に皮肉な話であるが…

 その元々の気質故か、勤勉で器用な種族であるのだがきわめて臆病な面があり、有事の際の士気そのものは総じて低く、ちょっとした事ですぐ戦意を喪失して悲鳴をあげて脱兎のごとく遁走してしまうため、彼らは戦力としては勘定されず、その性質とその機敏で小さな体躯のみを評価され、戦場では主に斥候や伝令として徴用されている。

 地下迷宮などでも浅い階層の警邏させられている事が多いため、冒険者が最初期に遭遇し易い相手でもある。
先に述べた通り、あまり戦闘には深入りしてこず、こちらが反撃の意を見せるだけで逃げ出すケースが大半ではあるのだが、逃走を許してしまうと入れ替わりに奥で控えていたオークやゴブリン、時にはオーガやトロルといった難敵が押っ取り刀で駆けつけてくる場合もあるので、できることならばそうならぬよう、早期決着を心がけるのが望ましい。


 これもまたポピュラーなザコ敵です。
最近は爬虫類寄りの解釈もあったりするようで、そちらの要素も内包するような方向で解釈してみました。

 尤も、犬人間的な外見というのもゲーム発祥であるという説があり、伝承的由来というのも、もうひとつ不明なのだそうで、今浸透しているコボルド像というのは、大元の伝承などからは完全に切り離されて独り歩きしている状態と言ってよい感じなのかも知れません。


 さて、解説の方でも少し触れているのですが、その名前の由来は鉱物(コバルト)から取られており、その絡みからドワーフなどと同じ鉱山に関連した妖精であるともされています。
さらに名前の由来で言えば、ゴブリンという名前も同じくコバルトを語源としているといった解釈もあるようですので、起源的には繋がりがあるものだったりするのでしょうね。

 コボルドがもともと座敷わらしのような役割の、家に居着く妖精の類だったのと同じように、ゴブリンもベッドの下であったり家具の隙間であったりといった家屋の暗がりに潜み、気味の悪い音を立てたり、家人に悪さをする妖精として扱われていたりもしますので、元々は同じ妖精であったもののネガティブな要素が切り離されて個別の存在となったという解釈ができるのではないでしょうか?
コボルドもその扱われ方によっては家に災いをもたらしたりするそうですしね。
そういう『害』の部分がゴブリンを生み出したのかも知れません。

           参考までに水木しげる先生版のコボルトです。
         ※小学館入門百科シリーズ76 妖怪《世界編》入門より


 しかしそれが時代と共に人里から追いやられて、結局同じような性質を持つ悪鬼として扱われるようになるというのも少し不憫な感じではありますが…

ただ、爬虫類的な解釈とは別に、犬人間的な部分が拡大解釈される感じで、完全にもふもふなケモ種族として扱われる事も多くなってきているようで、元来の友好的な妖精としての側面も相まって「単なる序盤の雑魚キャラ」からは脱却しつつある空気もあるようです。

「小柄でもふもふで働き者で少し人見知りな犬人間」という感じで要素を抽出してみれば、これは相当美味しい種族なのではないでしょうか?
なんてことも思ったりします。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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