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2024/05/03 (Fri)
WYVERN
NO.012
ワイバーン
WYVERN
飛竜とも呼ばれるドラゴンの亜種。
本家のドラゴンとくらべて体躯が小さく、成体でもドラゴンパピーより一回り小さい程のサイズしかないが、前肢がない代わりに大きく発達した飛翼を持つため飛翔能力に長ける。
また、頭の方もドラゴンと比較して低下しているようで、魔法を操ったり、
言語を解したりするほどの知能はなく、賢さで言えば馬などと同程度だと言われている。
もともとはとある国の王が、騎乗用にお抱えの魔術師に造らせた人工的な種であったが、手がつけられないほど気性が荒かったために放逐され、野生化したという発祥説があり、人の手で御し易いドラゴンを造り出すという過程で、種としての下方調整が行われたと考えれば、
その立派な見た目に反して大元のドラゴンよりも大きく劣る理由も納得できるであろう。
しかし、格段に劣る粗悪複製品のようなものであるとしてもやはりドラゴンの一種なのだ。
サイズの小型化に伴い身体的にパワーを削がれてはいるものの、人間程度を相手どるならば、十二分なほど能力は備えている。
小回りの利く翼と、これもまた発達した後ろ足に備わる鋭い爪は、大の大人をミンチ肉の山に変えてしまうのに三分とかからないであろう。
加えて、これもドラゴン族としての能力の名残であろう、口から高温の火花を伴ったブレスを吐き出す事ができる。
もっとも本家のようにこれで相手を消し炭にする事こそ叶わないが、火花を浴びれば当然重度の火傷を負う羽目になり、さらには激しい閃光を伴う為に迂闊に直視してしまうと目をやられ、一瞬にして視界を奪われてしまう。
「所詮は亜種」と決して甘く見る事のできない相手ではあるものの、優れた飛翔能力の代償として、皮膚や骨格の強度に関しては見る影もなく低いものになってしまっているので、付け入る隙があるとすればそこなのであるが、機敏に頭上を飛び回るワイバーンに重心の乗った致命打を与えるという事じたい、きわめて困難な事と言えるだろう。
余談であるが、猫に対するまたたびのような効果を発揮する薬草を用いてワイバーンを手懐け、騎馬隊ならぬ騎竜隊を組織することに成功した国もあるらしい。
いいですよね、ワイバーン。実にかっこいいモンスターです。
もともと紋章用にデザインされたものだというだけあって、非常に均整のとれたデザインで、華がありますよね。
怪獣などにもこの系譜のドラゴン的な見た目の怪獣が多くいる訳ですが、空を飛ぶ怪獣として、前肢がない方が見た目としてもしっくり来るというところが大きいのでしょうね。
(怪獣というジャンル的にいえば、単純に恐竜(翼竜)の影響もあるのでしょうけれども)
ゲームというジャンルでも、ワイバーン的なドラゴンは多く、今回のワイバーンの画が青く塗られている原因となって某シューティングゲームでも、前肢のないタイプのデザインがドラゴンとして採用されています。
(当時、aVAshiriは「これドラゴンちゃうやんワイバーンやん!これじゃワイバーンスピリッツやん」とか言ってた嫌な感じのアイタタなお子様でした)
昔は今ほど資料の種類も多くなく、しかも気軽に手に入れる事もできなかったせいもあってドラゴンの細かい種類分けなども浸透しておらず、かなり大雑把に扱われていた訳ですが、そもそもドラゴンという種じたいがわりと多種多様な外見、特徴を持ったモノを含みますので、前肢がなく翼発達している=ワイバーンという杓子定規な区切りで考えてしまうのも実のところナンセンスなのかも知れません。
定義がどうだなどひとまず置いて、モンスターを生み出した神話や伝承よろしく、もっとおおらかに捉えてよいのだとaVAshiriは考えたりもします。
繰り返し出て来る話ではありますが、時代に併せ、その時々でその有り様が替わってゆくのもこれまたモンスター考証の醍醐味のひとつですからね。
まさしく想像の翼を自在に広げて、好きなように己(ワイ)の世界にバーンと飛び立てば良いのだと思うのですね。
…かなり強引ですね。なんかまたスミマセン。
それでは今回はこんなところで。
ありがとうございました。
※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。
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