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過ぎ去りし日々のそれこれ
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GHOUL NO.007
グール
GHOUL

 
食屍鬼とも呼ばれるこの呪われた種族にはある誤解がまかり通っている。

その容姿、その主な習性から多くの者がアンデットモンスター、
すなわち安息を許されぬ蘇った死者の類だと勘違いをしているのだ。

同じく汚れた魂と呼ぶべき存在であるのは間違いないのだが、彼らは死を超越して怪物化した訳ではなく、
最初からこういうかたちの生命(!)を持つ種族なのだ。

源流を遡れば神々の眷属に近しい精霊とも呼べる輝かしい種族であったようだが、時代と共に零落し、
屍肉を貪り喰らうまでに堕落した末に今や”祝福されざるもの”と呼ぶべき存在に成り果ててしまったらしい。

その多くは夜な夜な墓を暴き、埋葬された遺体を盗み食いして暮らしている卑しくも惨めな存在でしかないが、
一部のグールはそんな生活に飽き足らず、生きた人間をも標的にして襲い掛かってくる。

厄介なことにその”人喰”どもは新鮮な血肉を喰らう事でほんの僅かながらだがかつての力を取り戻しており、
邪悪な魔術を用いて人を惑わせ、陥れたり、時には姿を偽って喰らった人間と入れ替わるなどして、
人間社会に入り込んで何食わぬ顔で食人を続けているという。

そういった知恵が回るという面でも彼らは恐ろしいモンスターなのであるが、
純粋にその身体に備わった能力においても油断がならない。

元々腐肉を喰らっていたせいか、その牙や爪には強烈なばい菌が繁殖しており、
毛ほどの傷一つでも後々取り返しのつかない事になってしまう可能性が高いのだ。

また、病的に痩せ細った干物を思わせる身体に似つかわしくない剛力を誇り、
その気になれば人間の手足など草でも毟るように簡単に千切り取ってしまうであろう。

元来、屍を食べやすいサイズに引きちぎり、貪り食ってきた種族である訳なのだから、
その程度の腕力を備えていて当たり前と言えば当たり前である。


余談であるが、グールの女性は怪しい妖術を使うまでもなく美形揃いで、
男性に対してのみ効果を発揮する強力な「魅了」の能力を持っている。
さらに余談であるが、人間との間に子供をもうけた例も幾つかあるようで、
その点からもやはり元は精霊的種族である事が伺い知れる。


 それほどマイナーな存在ではありませんが(むしろ某マンガのお陰で知名度じたいは抜群?)、
知名度の割にコンピュータRPGに登場するモンスターとしては、あまり印象にない
微妙な立ち位置の存在…みたいな感じでしょうか?
※個人的な感想です。

おそらくキャラクター的に、ゾンビ辺りとの差別化がはかりにくいというところから、そういうポジションに甘んじているのでしょう。
ゲーム内に登場するゾンビというのは、大概ロメロゾンビと呼ばれる系統のイメージで扱われている事が多いため、
『食屍鬼』というだけではなかなかに個性を発揮できないというのも仕方のないところなのかも知れません。
いいとこゾンビの色替え上位版ということで、性能的にやや優位性を与えられているというぐらいの扱いのやむなしというところでしょうか。

しかし実際のところ、グールというのはゾンビと同列に語るような存在ではありません。
だいたいアンデッドモンスターにカテゴライズされていたりする訳ですが、どちらかといえば、
その名の通り『鬼』であり、精霊や妖精といった存在に近いものなのですね。

古典映画『シンドバッド 虎の目大冒険』では、魔術師の召喚によって炎の中から出現し、
その姿も人間離れした、奇怪な蟻人間といった風体の怪物となっています。
扱い的には地の底から呼び出された地獄の悪鬼という感じなのですが、
おそらくは同じ地獄産でも亡者側としての解釈が一般化し、アンデッドモンスターとしての
カラーが強まった流れがあるのかもしれません。

ちなみに日本にも亡者の肝を喰らう魍魎と呼ばれる妖怪がいますが、
グールも元々はそれに近いかたちのものだったのではないのでしょうか?
魍魎ももともと水神であったという説があるように、遡ってみればそれと近しいルーツを持つものなのかもしれません。

そういった諸々踏まえてみれば、グールもまた一つの個性的な種族として立ち上がって来る!…かも知れません。
女性グールは美形が多いという話もありますしどうでしょうかね?ダメですかね?

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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