忍者ブログ
過ぎ去りし日々のそれこれ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
GIANT SLUG NO.006
おおなめくじ
GIANT SLUG

 
すなわちナメクジの事である。
庭先のジメジメした箇所などでよく見かけるものなので、ご存知でない方はいないかと思われるが、
ここで紹介するのは、そんなごくありふれたものではなく、
地下迷宮などに生息する特大サイズのナメクジの事である。

 大きさのほどとすれば、中型犬より一回り大きいぐらいであろうか?
ごく見慣れたそれらとは比較にならないサイズの身体をぬめぬめと這い回らせ、
その進行上にあるあらゆるものを食料とする彼らは、地下道の清掃屋の役割を担っている。
(ただし金属類などは消化吸収できないようで、糞と一緒に排泄される)

移動には大きなエネルギーを要するようで、彼らは常に餓えを抱えながら、
ほぼ決まったコースを常にぬらぬらと移動し続けている。

 この通り彼らは進路上に転がる生き物の死体(当然人間も含む)を食べて生きるスカベンジャーであるので、
積極的に狩りなどを行ったりはしないし、気まぐれに襲い掛かってきたりという事もないが、
その進行コースを遮るような事をした場合は例外で、即座に食料と認識し攻撃行動を取り始める。

 とはいえ武器となるのは存外鋭いヤスリ状の歯を持つ口と、獲物を食べやすくする役割を果たす、
ごく弱い酸を帯びた消化性粘液ぐらいのもので、それなりに武装した冒険者であれば
容易に致命打を貰ってしまうような攻撃手段を持っている訳ではない。

単純な構造の生物であるが故に再生能力が強く、苦痛や恐怖に退く事がない為に、
その恐ろしいまでのタフネスさに多少手を焼く事になるかもしれないが、
未熟な冒険者の訓練や、新しい武器の試し斬りにはもってこいの相手と言えるだろう。

 ただし、戦いが長引くとどこからともなく仲間が集まりはじめるので、そうならぬよう警戒せねばならない。
いくら容易い相手とはいえそれが群れをなし始めてしまうと話は別である。

疲れや恐れを知らない相手がひっきりなしに襲い掛かってくるとなれば、
どんな手練の冒険者であろうともやがてはその数に圧倒され、あえなく制圧されてしまう事であろう。


 もうひとつ、注意せねばならない事を捕捉しておくが、
彼らは、循環器に致命的な障害を引き起こす寄生虫のキャリアーである。

もし、戦闘中彼らに噛まれたり、その粘液などが体内に入ってしまうような事になった場合、
その寄生虫に入り込まれてしまった可能性が高いので、怪我などの治療の際は解毒の呪文などで
血を浄化する事を忘れてはならない。

それを怠ってしまうと、寄生虫によってじわじわと内臓を侵され、狂おしいほどの苦痛の後に
死の運命が待ち構えているであろう。

 この寄生虫は人のみならず多くの獣の類に対しても同様の病床を起こす為、
彼らを好んで捕食しようとする天敵に相当する生物はほぼいないに等しい状態となっている。
つまり、彼らに巣食う寄生虫は強力な武器を持たない彼らにとっては熾烈な生存競争を生き抜く為の守り神でもあるのだ。


  「くらえっ!『はがねのつるぎ』をッ!!」(古谷徹さんの声で)
ちゅど~ん!(大爆発)

 いきなり何事かと思われたでしょうが、おおなめくじと言うとドラクエⅡ。
ドラクエⅡと言えばオールナイトニッポンのラジオドラマを思い出してしまう訳で、いきなりオール王子の叫びスタートとあいなりました。

 このラジオドラマ、攻略のヒントを交えつつ終盤に差し掛かる手前辺りまでお話が進行するのですが、
なかなかに味わい深いものがあるものですので機会がありましたら是非聞いていただきたい一遍です。
なにげにキャストも豪華デスヨ。

 さてそれはともかく、お題はおおなめくじですね。

実在生物が巨大になったものを取り扱うのは今回がはじめてではないでしょうか?
これ系は描くに当って現物側に寄せるべきかそれとも怪物側に寄せるかで毎度悩ましい感じに思考がぐるぐるしてしまいます。
題材によってはそのまんますぎると実際のそれを強くイメージさせ過ぎてしまって
「大したことなさそう」なんて印象のものになりそうですし、
かと言ってあまりに怪獣過ぎるのも元がある意味が無さ過ぎな感じがします。
とにかく完全に幻想寄りの架空のモンスターたちと違って、これ系はあまり花形感がないわりにあれこれ面倒くさいのですね。
しかし逆に言えば、こういうものこそ腕の見せ所でもあるとも考えられる訳で、
先の素材集ではがんばって巨大生物系はそこそこの種類を取り揃えました(宣伝)。

 まぁそれはともかく、実在動物がでっかくなった系の中でもおおなめくじというのは、
いかにも強敵感のないモンスターの代表ではないかと思います。
見た目はどろどろぬめぬめしていて大変気持ち悪いのですが、実際の戦闘能力として、
牙だとか爪だとか猛毒だとか分かり易い売りがない分、脅威としてイメージし辛いのですね。

 実際、RPGで登場する際にもごく初歩的なザコ敵で、やや高い目に設定されたHPで個性がつけられている・・・程度の扱いのものが多い気がします。
あと、時々毒を付加してくる場合もありますね。
現実にそれほど強い毒性を持つナメクジはいないみたいですが、モンスター化するに当ってのアレンジとしては妥当でしょう。
 そんな感じで少し味付けしなければ見た目のインパクトほどの特性を与えにくいモンスターだとも言るのではないでしょうか。

 ということで今回の解説で少し提案をしてみたのです。
寄生虫の話は色々読み調べているだけでもなんだか鳥肌が立ってくるぐらい怖いお話ですので、
これを上手くモンスター特性として取り入れる事ができれば、おおなめくじももう一味も二味も違うモンスターとして覚醒する余地が残されている!…のかも知れません。

 ちなみに絵的にはバナナナメクジなる大型のナメクジをモチーフに描いた訳ですが、
調べてみればわりと原色系の鮮やかな種もいるようなので、案外ファンシーな方向に振ったデザインにすれば、
スライムのようなマスコット系にもなりうる素材なのかも?などと思ったりもします。

たかがナメクジ、されどナメクジ。

ちょっとひと味加えるだけでまだまだ化けるモンスターなのかもしれません。
…ただし塩味だけは勘弁?


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

PR
PREV ←  HOME  → NEXT
Copyright (C) 2024 いまさらなハナシ All Rights Reserved.
Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]