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過ぎ去りし日々のそれこれ
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GIANTRAT NO.018
おおねずみ
GIANT RAT

 豊富な栄養と恵まれた環境に適応し、大型化したねずみである。
だが、ただの大きなねずみと侮ってはならない。
体躯の大型化と共に攻撃性も増し、格段に凶暴になっているのだ。

統率された群れを率い、きわめて勇猛に狩りを行う彼らを
台所などで食べ残しなどを狙ってくる普段見慣れたそれと同じ動物だとは決して考えるべきではない。

人肉の味を覚え、それを獲物と認識している彼らはもはや完全に怪物なのである。

 また、その習性が多少変わろうが不衛生な環境をねぐらとしている事が多く、
当然厄介な伝染病を媒介するというという点も注意せねばならない。

そのサイズの大小に関わらず、彼らは多くの災厄をばら撒いてきた地獄の伝道師でもあるのだ。


 
今回ご紹介するのはでっかいねずみな訳ですが、前回のヴァンパイアとは、ちょっとした続きモノ的な内容となります。

 ねずみといえば、やはり伝染病、つまりペストというものがワンセットで連想されますよね。
最近はあまりそういうこともないようですが、一昔前にヒーローモノにネズミの怪人が登場すると、だいたい何かしら強力な病原菌を持っていたりして、伝染病をばらまく作戦を展開していたものです。

『吸血鬼ノスフェラトゥ』という映画内でも、ねずみは死の病を振りまく恐ろしい吸血鬼の手先として描かれ、吸血鬼であるオルロック伯爵も「ねずみの王」という風な呼ばれ方をする場面もあります。
ちなみにあのねずみ男も、貸本時代の初登場時は吸血鬼の手下として登場して来ます。
(これもいくつかバージョンが存在していて、最初から例の怪奇研究家という肩書で登場するものもあるようです)


 そのようにねずみは吸血鬼のもたらす脅威のひとつとして関連付けされていた訳ですが、その他にも狼、猫、コウモリなどといった動物もその手下であるだとか、化身であるだとか言われており、どこか不気味なムードを持っていたり、実際に人に危害をもたらしたりと、恐怖の対象となる動物を片っ端から同じカテゴリーに括っていたという事なのでしょうね。

考えてみればそれらの動物たちは、魔女狩りなどが流行した時期には全て魔女や悪魔の仲間扱いされていますよね?


 近代医療的な考え方が一般化する以前までは、病というのは悪霊の仕業だと解釈されていたそうですが、そういう観点から考えてみれば、恐ろしい伝染病を媒介するねずみというのは、まさしく悪霊の使者であり、悪魔の化身以外の何者でもないと言える気がします。

伝染病という事以外にも、群れを成して畑も荒らせば、家屋に侵入してきて保存してある食料にまで被害を及ぼしてくるとなれば、ほんのちょっとした備蓄が生き死ににも関わってくる時代の人たちにとって、人喰いの猛獣に匹敵する恐怖の対象だったであろうことは想像するまでもありません。

動物としては比較的知恵が回るというところにも、魔的なものを感じられたのではないでしょうね。

ねずみたちは今現在もどっしりと人の生活圏に根を下ろし続けている訳ですが、そういうバイタリティを見ても、当時の人たちにとってどれだけ身近な脅威だったかということを計り知る事ができるのではないでしょうか?

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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