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過ぎ去りし日々のそれこれ
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VAMPIRE BAT NO.023
ヴァンパイアバット
VAMPIRE BAT

 吸血コウモリを指す名であるが、ここで紹介するのは一般的なそれではなく、おそるべきモンスターと化した大型種についてである。

大きさとしては元の3~4倍はあり、その分群れの単位がコンパクトに構成されるようになったのか、あまり大きな群れを造らず、4体から多くとも8体ほどの1家族単位で群れを為す。

 基本的な習性は大型化しても大した変化はないようで、音もなく飛来してきて、巧みにお目当ての血管を探り当て、痛みさえ感じさせる事のない鋭い切れ味を持つ牙で傷を付けて血を啜る。

もともと飛翔が困難になるほど大量に血を飲むのであるが、このサイズのヴァンパイアバットによって同じように吸血された場合、血が固まりにくくなる成分を含んだ唾液の効果も合わさり、重度の貧血状態に陥ってしまう事であろう。

 ただし大きくなったとはいえ生き物としての脆さは変わらず、飛翔能力の代償として軽量化された身体はまるで戦闘には向かず、自慢の鋭い牙も正面切って戦う武器としては些か頼りないと言えよう。

彼らが真価を発揮するのはあくまで闇討ちや不意打ちであり、それにさえ警戒していればさして恐ろしい敵ではない。

とはいえ、まるで物音一つ立てず忍び寄る彼らに寝込みを襲われてしまった場合、状況次第ではそのまま失血死してしまう恐れもあるので、彼らの生息圏内では夜間の見張りには神経を尖らせておく必要があるだろう。

そしてもう一点注意すべき点としては、大ネズミたちと同じように彼らもまた恐ろしい伝染病を媒介する可能性が高い為、ほんのかすり傷程度でも適切な処置が必要である。

『ヴァンパイア』の名は単に血を吸うからという理由のみで与えられてはいないのだ。

 
「ヴァンパイアバット」というと、いわゆるチスイコウモリと呼ばれるコウモリを指したりする訳ですが、こちらで取り上げるのは当然モンスターですので、説明文でもある通り、それら実在のコウモリではなく、あくまで「モンスターとして」のヴァンパイアバットについてお話をしましょう。

 さて、コウモリというと真っ先に思い浮かぶのは例のおとぎ話だと思いますが、そこから受ける印象や、見た目の不気味さから、コウモリは多くのゲームにおいて敵キャラクターとして登場して来ます。

そしてその多くで、ひらひらと飛び舞う軽やかな有様や、狂犬病などを媒介するという事などから、素早い上に毒などの状態異常を引き起こす序盤の難敵という位置づけで扱われる事が多いようです。

 また、何かしら冒険を題材とするアクションゲームにおいてもコウモリは高確率で登場し、やはりその飛翔能力をフィーチャーされてクセのある挙動で襲い掛かってくる、場合によっては生半可なボスキャラよりも恐るべき敵として立ちはだかってきます。

さらに、その容姿も頻繁に悪のシンボルマークのデザインとして使われたりもしますし、とあるヒーローなどは「恐怖の象徴」として、コウモリのデザインのコスチュームを身に纏ったりしていたりもする通り、コウモリにはそういったネガティブな悪魔的イメージが絶えず付き纏っています。

 考えてみれば他の肉食の猛獣や、猛毒を持った蛇や、生活に密着したねずみなどの害獣というものと比べると、人がコウモリに受ける被害などたかが知れたものではないかと思う訳ですね。

確かにチスイコウモリなどは人間の血も吸いますし、家畜などにも被害を及ぼす害獣です。
が、一般的な多くのコウモリは虫や果実を食べる種が主で、伝染病を媒介するとはいっても積極的に人を襲う動物ではありませんので、能動的に接触を図ろうとでもしない限りその被害にあうことも少ないのではないでしょうか?

 実際、古い時代においてはあまりネガティブなイメージで語られる動物ではなかったらしく、吸血鬼や悪魔などと関連付けされたのは比較的近代になってからで、やはり関連付けられたそれらと同様に宗教的な原因が大きいのだと考えられます。

 ただ、コウモリを悪魔的なものだと捉える気持ちも理解できます。
夜目の利かない鳥たちと異なり、日が沈むと共に表れて闇の中を飛び回る上、その姿も鳥とはかけ離れており、一見ねずみをさらに醜悪にしたような顔つきをしています。
また、逆さに張り付いて羽を休める姿も、他の生き物にはあまり見られない特徴ですし、昔の人たちの目にはとても奇異な生き物として映った事でしょう。

 「悪魔」や「吸血鬼」という概念が一般化した後であれば、闇夜を踊るように飛ぶこの奇怪な生き物は、この世ならざる世界から来た得体の知れない怪物で、呪われた存在であると感じるのは自然のなりゆきなのかも知れません。

つまり、手足もなく動き回り、皮衣を脱ぎ捨てて生まれ変わる蛇に対し、人がかつて神や魔を見たそれと同じように、コウモリの生き物としての異質さが後の不遇を決定づけたのかも知れません。

多くの悪魔の背中には、コウモリと同じ飛膜が与えられているのを見るに、悪役的デザインとしてとても秀逸であったというのも運の尽きだったのでしょうね。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。


※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

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