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日々見たものや思ったことがらをだらだらと
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「TURISTAS」 日本劇場未公開 2006 監督:John Stockwell
実は繰丸は今まで一度も海外旅行をした事がありません。

これまでそういう機会に縁がなかったというところが大きいのですが、
なんだか怖いのですね。
文化も言葉も違う土地に飛び込むという行為そのものが。

いや、決して興味がないとか嫌だとかそういう訳でもないのですよ?
むしろ行ってみたいなーとか思ってはいるのです。

しかし、そんな場所で万が一にでも何か大きなトラブルに巻き込まれた時、
もう何もかも立ちゆかなくなってしまうのではないか?などと、
そんな取り越し苦労も良いところな事を真っ先に考えて、
恐ろしくなってしまうのですね。

旅先の土地で、しかも海外で身動きが取れなくなり、
結果一人取り残されてしまって帰る事もできなくなるとか、
そんな事を想像すると、もうそれだけで泣きそうです。

これはもうさらにややこしい事態に巻き込まれた挙句に、
死んでしまう流れになってしまうのでは?とか、
悪い想像はどんどんエスカレートしてゆく訳ですが、
これは単に変なものを見過ぎて毒され過ぎという話ですね。
きっと。


とはいえ繰丸はコミュ障もよいところですので、
大なり小なり問題が発生した時に立ち往生してしまうのは、
まず間違いないと思います。

まぁガイドさんつきのコース旅行にしておけば、
そんな心配する必要も激減するのでしょうけれど、
そちらはそちらで集団行動が苦手という話でもありまして、
兎に角難儀なハナシな訳です。


いきなりこの有り様です
キコとビー、これがわりと運命を左右する出会いとなります
すっかりもう旅慣れしている方から見れば、
おそらく「何大げさに考えてるんだ馬鹿だなー」ぐらいにしか
感じない話でしょうが、
あまり旅行経験のない人であれば国内外問わず
それなりの距離を旅行するとなればそういった不安が
きっと頭をよぎったりするものだとは思います。

いつもの「勝手」や「日常の常識」が
通用しなくなる可能性が高い場所へ足を踏み入れるという不安や、
恐怖というのは大なり小なりついてまわるものでしょう。


今回紹介させていただく「ブラッド・パラダイス」は、
そういう旅に付き物である漠然とした不安感というものを、
ストレートに具現化したような映画です。


妹のビーとその友人エイミー、そしてその二人のブラジル旅行に、
お目付け役として付いてきたアレックスの三人は、
バスでベレンへと向かっていたが、
その途中でバスは横転事故を起こしてしまう。

運転手はじめ乗客も全て窓から脱出し、
怪我人ひとり出す事もなく無事で済んだものの、
バスは崖下に転落してしまって替りのバスが来るまで、
その場で足止めを食らう事になってしまった。

次のバスが来るまで10時間。

しかし暇つぶしに写真を撮っていたビーが、
地元民の乗客とトラブルを起こしてしまい、
その場に居辛くなってしまった一行は、
同じバスに乗り合わせていた女性バックパッカーのプルー、
そしてフィンとリアムの男性バックパッカー二人組と共に、
ひとまず少し離れた場所にあるビーチで時間を潰す事にする。


最初は一時の時間つぶしのつもりでいたアレックスたちであったが、
ビーチの美しさやカフェでの歓待にいたく感動し、
もうバスの事は忘れてここに留まる事を決め、
すっかり羽目を外して飲んで踊ってブラジルの夜を満喫するのであった。


だが、そんな楽しい時間も長続きはしなかった。

すっかり酔い潰れてしまっていたアレックスたちが浜辺で目を覚ますと、
全員、金品はじめパスポートや着替えなど、今身につけている着衣以外を
すっかり奪い去られてしまっていたのだ。

どうやら昨夜飲んだ酒の中に一服盛られていて、
昏酔強盗にあってしまったらしい。


警察を探して被害を訴え、どうにか市街地まで出る手段を探すべく、
アレックスたちは近隣の村へと行ってみるも、
村人たちも非協力的で何を訪ねてもまるで要領を得ない。

そのうち、盗まれたアレックスの帽子を身につけた子供と遭遇し、
追いかけあいをするうちリアムがついカッとなって投げつけた石が原因で、
村の住人たちと大きなトラブルへと発展してしまう。

アレックスたちは興奮状態の村人たちにとり囲まれ完全に一触即発。
が、その仲裁に入ったのは前日カフェで友人となった
ブラジル人青年キコだった。


キコはこれ以上村の近くにいるのは危険だと言うが、
ここを離れようにも車もなくバスも二日後にしか来ない。

仕方なく一行はキコの案内でそこなら安全だという、
キコの伯父さんのコテージへと向かい、そこに身を隠す事になる。

件のコテージは山奥にあり、密林を掻き分け歩いて行かねばならないが、
アレックスたちには他に選択の余地はなかったのだ…
フィンとリアムのコンビ  フィンは本当に良い目みないので可哀想になります
プルーさんはかなりお役立ちキャラです
さて、ここまでが物語の導入部です。
いやはやすでにこの段階で旅先で起こりうる
恐ろしいトラブル釣瓶撃ち状態ですね。

交通事故に盗難、そして現地住民との揉め事。
そして何より一番恐ろしいのが一文無し状態で、
全然不慣れな見知らぬ土地に放り出されるという事態です。

この映画でその状況に陥るのは電話も交通手段もない
辺境の村な訳ですから絶望感もひとしおでしょう。

さらに観ていて強く感じるのは何をさておいても
言葉が通じないってこんなに怖いのか!という部分ですね。

一応、アレックスご一行内ではベテランバックパッカーであるプルーが、
簡単な会話程度は可能な状態で、現地青年のキコは英語を勉強していて、
こちらもそれなりに会話も可能で、通訳的な役割を果たしてくれます。

けれど、ワンクッション置かなければ意思疎通もできないというのは、
かなり重い制限をかけられていると言える状態だと思います。

危機的状況下であるならそれは尚更です。

この意思疎通にかけられた制限という部分に関しては、
本作内でも十二分に不安を煽る要素として機能しています。

そういえば以前に紹介した「カタコンベ」でも、
言葉の壁がヴィクトリアの孤立感を演出する要素となっていましたね。


普通に言葉が通じる状態でも
人に言葉を捲し立てられるのは怖いと感じるものですが、
それが全然理解できない言語であるなら尚更です。

恐怖というのは理解できない物に対して起こる感情だそうですので、
言葉もろくに通じない旅行先でのトラブルや恐怖体験を描いた本作は、
非常に根源的な恐怖が根底に流れていると言えるのかも知れません。
さてこの映画、前振り部分がとても長く、
本格的にホラー映画的な展開になってくるのは、
キコの伯父さんのコテージに到着してからです。

当然それまでに前振りに当る場面は結構な頻度で挿入されるのですが、
アレックスたちご一行には預かり知らないところで展開している訳です。

観ている側としてはすでにビーチで昏酔強盗に合ってしまう段階で、
ある程度の全容についての想像が付くのではないかと思います。

さすがにその目的部分までは見えないでしょうけど、
大まかに何かしらの企みが動いているという事は、
簡単に想像できるような造りになっています。


そうやって充分に溜めに溜めてホラー映画的な展開に突入すると、
まってましたとばかりにゴア描写をじっくり時間をかけて見せてくれます。
かなりねっとりとそういうシーンが続きますので、
グロいのは苦手だという方はちょいと注意が必要です。

そして終盤はこの手のホラー映画のお約束で、
逃走劇に突入する訳ですけれどここも色々独特ですね。

元々ロケーションにはかなり凝った部類に当る映画だと思いますが、
終盤の逃走劇もその大半を鍾乳洞内で行う事になります。

しかも広大な地底湖を使って独自カラー満載の逃走劇が展開するので、
ここもまさしく見どころですね。

少々ラストが呆気無いかな?と感じる部分もありますが、
本人が言っていた言葉の通りに
自らの行いも精算されたという感じなのだなと、
そんな風に納得のゆく展開ではあります。
実はメインの6人以外にもスヴェン(とその彼女)という登場人物もいます
少し犯罪物的サスペンス色強めの作品ではありますが、
「怖い」という部分の根っこは結構しっかりしていると思いますし、
決して安っぽい造りの映画でもありませんので、
「旅先で若者が酷い目に合う」系ホラーが好きな方には、
十二分にお楽しみいただける一本ではないかと思います。

実は本編中名前すら出てこない黒幕さんの
マッドっぷりも見どころですしね。

なかなかにオススメできる一本ではないかと。

怖いリゾートネタということで
夏の終わりを飾るのにもピッタリではないかと思いますし、
興味の湧いた方は是非手に取ってみてください。


では今回はこんなところで。
お付き合いありがとうございました。
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