忍者ブログ
過ぎ去りし日々のそれこれ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ORC
 
SLIME NO.004
オーク
ORC

 
彼らも元々は妖精の一種であったようだが、今や完全に闇の勢力に取り込まれ、
いわゆる悪魔(デビル)的な種族となってしまった。

単純に力のみに頼った序列を絶対とし、浪費を美徳とする彼らは如何なる生産活動にも従事せず、
必要なものは全て奪い取る事で賄う。
故に、定位置に集落などを構える事もなく、ひたすら略奪行為を繰り返しながら各地を転々とするという、
野盗のような活動を生活の基盤としているのだ。

ただしそれは一昔前までの話で、現在はそのような根無し草のような生活をするオークは少なくなってきており、
そのほとんどがより強力な力を持つ邪悪な存在に傅き、雇われ兵士としてこき使われている。

ただ、彼らの行動理念のひとつとして「長いものには巻かれろ」というものがあるため、
ほとんどの主人は彼らが土壇場で裏切るという事を見越して使い捨て同然の消耗品として扱っている。
彼らを支配するのは、常に”力”と”物”でしかないのだ。


余談であるが、彼らの一族には女性はいない。
そこまで生産というものからほど遠い存在なのである。

しかしそれでどうやって生殖活動を行うのかと言うと、別の種族の女性を孕ませる事で、
一族を増やすのである。

エルフ、ドワーフ、ゴブリンなど、あらゆる亜人との間に子供を儲けることができ、
いかなる場合においても混血ではなく、完全にオークの子が生まれてくるのだ。

しかも一ヶ月半ほどで臨月を迎え、生まれた子供はわずか半年ほどでほぼ成体となり、
また生殖活動が可能となる。
性質上死亡率も高い種族であるが、その強い繁殖力でそれを補っていると言える。


ただ不思議な話であるが、何故か人間との間には混血が生まれてくる事があり、
その場合、どういった作用が働くのか非常に優れた身体能力を持つ個体に成長する。

姿かたちもオークとはかけ離れた体格を持つその混血種族はマンオークと呼ばれ、
大概の場合純血のオークに対して異常とも言える憎悪と敵意を持つようになり、
彼らだけの独自のコミュニティを形成するようになる。

さらに不思議な事に、マンオークには女性も生まれてくる上に、
異種間での生殖活動ができなくなってしまうのだが、
もしかすると人間の血と混ざる事で、現在のかたちになる以前の大元に近しい種族へと
先祖返りのような事が起こっているのかもしれない。


エルフたちが自堕落な者に対し、「そんな生活をしているとしまいにはオークになるぞ」という言葉で
戒めるというほど堕落の代名詞になっている種族と、人間が種族的にそのような特異な関係にあるというのは、
何か暗示的なものを感じざるを得ない。


  近年は再評価といいますか、旧来のしみったれた雑魚モンスターというイメージからは、
徐々に脱却しつつある感じですよね。

きっと映像作品等の影響が大きいのでしょう。
かつての不潔な猪八戒的なビジュアルからも脱却して、屈強な蛮族の戦士という風体のものが、
主流になりつつあるようです。

同一の源流を持つという説もあるオーガなどが持っていたイメージが、
徐々にオークにも付加されてきているという感じでしょうかね?

時代と共に変化してゆくというのも、またモンスターの醍醐味というところでしょう。

もともと創作物か?伝承に依るものか?で議論の絶えないモンスターではありますが、
そういった出元がはっきりしないというところも如何にもモンスターじみてて良いのではないかと思うのです。

さて、そんな流れの中にあって、あえてちんちくりんのブタ面オークです。
こんな風体で下積み悪役をやってくれている方が、やはりしっくり来るなぁと、
個人的に思うのですよね。

aVAshiriの中では、オークは永遠の雑兵なのです。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。

PR
 
SLIME NO.003
スライム
SLIME

 
大きな魔力が行使された場所、または日常的に頻繁に魔法が使用されるような場所、
もしくは過度に生と死が交錯する場所…そういった場にはある種の”よどみ”が生まれ易い。

 そのネガティブなエネルギーの吹き溜まりは、時として世界の境目を曖昧なものにしてしまう。
つまり、人ならざるものの支配する世界と重なりあう綻びを作り出してしまうのだ。

 当然そこから迷いだしてくるものがある訳だが、
所詮薄布越しに向こう側が透けて見えるような程度の接点である。
完全に境界を抜け出てくる事が叶わず、大概はその存在のほんの上澄みのようなものが、
現世に染みを作るのみで終わってしまう。

つまり、あの命を持った汚物のようなもの、俗にいうスライムと呼ばれているものは、
実体化し損ねた異界の存在の哀れな成れの果てなのだ。

 もっともそれは単独で領域を越えて来る事のできない程度の力しかないという事の現れともいえ、
おおよその場合、魔界や冥界に属する最下級の悪魔や下等生物がその正体なのだろう。

 本来のかたちさえ保つことができず、その不完全な肉体(と呼ぶにも不十分だが)に
引き摺られるかのように知能も意思も失い、
猛烈な食欲という単純な生存欲求の命じるままのみに行動するそれは、
きわめて原始的な原生生物の有り様と変わりないが、
時折必死に何かを形作ろうとするような動きを見せる事もあり、
それが何かしらの意味を見いだせる行動なのか?それとも偶然そう見えるだけの、
意味のない行動に過ぎないのか?さらなる研究が期待される。

 余談であるが、大量の獲物を捕食したり魔力を吸収したスライムは、
それらを触媒とし欠落部分を補い、本来のあるべき肉体を再構築するという一説もあるようだが、
大概のスライムは一定期間が過ぎるとそのゲル状の身体さえ維持する事ができなくなり、
汚らしいあぶくだけを残して蒸発するという末路を遂げる。

生殖機能さえ持たない彼らはそうやって一代限りの儚い生命を終え、
その魂はまた元の世界へと帰ってゆくのだ。

 
 ご覧の通りデザイン的にも解説的にも何の影響を受けてるかと言えば、
判る方には一目瞭然ですね。


 スライムはもともと伝承系のモンスターではありませんので、
その形状やら設定やらが作品ごとに大きく異なるというのが特徴と言えます。

 とりあえずコンピュータRPGにおいては「序盤に出てくる最弱の部類のザコ敵」という部分だけは、
共通認識としてわりと定着しており、なおかつ抜群の認知度を誇りつつも、
ではどんなモンスターなのか?と考えてみる時、意外に不確定な部分が多いというのは
結構ユニークな立ち位置の存在ではないでしょうか?

 スライムの源流を辿るとおそらくSF小説などから取り入れられた物なのだと考えられます。
リザードマンやクアールなどと同じく、近代になってからの創作物から誕生した、
歴史的にはわりと浅いモンスターなのですね。
神話や伝説というバックボーンを持たない為に、創作物としてかなり自由に扱われている…
というのが現状なのでしょう。


 先に挙げた「最弱のザコ敵」としてのイメージというのはさらに近年になってついたもので、
国産RPGにおいてそういう流れを決定づけたのは、間違いなく『ドルアーガの塔』というゲームでしょう。

実際のところ、止まっている状態でなければ剣を出していても触ると即死してしまうという、
わりと厄介な敵ではあるのですが、一面から登場してくるグリーンスライムは
いかにも初歩的な敵キャラ然としており、これが後の運命を決したというところでしょう。

また、スライムといえばあのバケツっぽい容器に入った玩具のアレを想像したりもしますが、
ああいったどろどろとした流動体ではなく、ふるふるとした弾力を持つゼリー状の質感という方向性についても、
やはり『ドルアーガの塔』からの影響が大きいのではないかと思いますし、
現在の国産RPGにおけるスライムのルーツというのは、大凡ここにあると考えて差し支えないでしょう。


 伝承に登場する怪物たちは、自然現象などに本来持ち得ない具体的な姿かたちを人間の持つイマジネーションによって与える事で
誕生してくる訳ですが、形状として具体性を持たない「不定形の怪物」というアイデンティティを与えられているスライムは、
いかにも近代的な怪物と言えるのかも知れません。

そしてまたそれが時代を経る事によって、キャラクターとしての「かたち」が付加され、
より具体的な存在になったりもする訳ですから、これまた面白いものだと思ったりする訳です。


それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。
 
DRAGON PUPPY NO.002
ドラゴンパピー
DRAGON PUPPY

 
最強生物たるドラゴンの幼体、つまり子供である。
神鉄に匹敵する硬さを誇る鱗を全身にまとい、多少の損傷であれば瞬時に回復する生命力を持ち、
神にも等しい不滅の肉体を誇るとされる種族であるが、そこに至るまでの
数百年から千年前後の幼年期から青年期はごく当たり前の骨と肉で構成された
身体で過ごすとされている。

 ただし、それを為すものがありふれた肉や骨であろうとも、その巨躯は
並の生物と比較して遥かに強靭であり、成体のそれの足元には及ばぬものの、
そのひと息は人間程度であれば焼き殺すには十分なほどの熱気を宿し、
鋭い爪や牙は並の板金鎧など紙でも扱うかのように容易に引き裂いてしまう。
また、個体によってはちょっとした魔術を体得している場合さえある。

子供といえども最強生物を侮ると、その代償を命で支払う事になるであろう。


ドラゴンですよ、ドラゴン。

主人公にしてよし、敵役にしてよしのファンタジー界の花形です。
とはいえ多くのコンピューターRPGではあまり種族としての側面は扱われず、
強力なモンスターとしてぐらいの扱いでしかフォーカスされていない感じですね。
ものによっては知性を持ってるのかすら怪しい、「強い怪獣」程度の立ち位置であったり、
大凡の場合、神様系だとか悪魔系の大物より格下という位置づけが固定されている印象がありますね。

 残念とは思いますが、それも仕方がないという気はします。
日本は世界有数の怪獣大国な訳ですよ。
やはりあの外見で火を吐いて空を飛ぶとなると、怪獣的に扱いたくなるのも
人情というものでしょう。

前記の通り、神的な威厳だとか種族としての得意性みたいなものこそ
あまり目を向けられはしていませんが、やはり特別待遇されてはいるというところに、
ドラゴンという存在の魅力は万国共通であるなぁと感じる事ができます。


 さて今回のドット画はドラゴンパピーという事で、ドラゴンの幼体です。
翼もまだ小さく、角も控えめになっています。
顔も幼めになるよう心がけて描いてみたのですが、あまり愛嬌のある感じにはならないよう、
多少なりともドラゴンとしておっかない雰囲気があればなーぐらいの線を
狙ってみました。

 色についてはとりあえず個人的なイメージによるベーシックなドラゴン色というイメージで、
くすんだ緑色を配色した訳ですが、さらに成長するに伴い、
赤くなったり青くなったりしてゆくのでしょうね。
…たぶん。
成長してゆく事で各々個性が強く出て来る感じになるのは人間と同じなのです。
…きっと。

 しかしドラゴン=緑っていうイメージな何による刷り込みなんでしょうね?
何か爬虫類的なもののイメージが根っこにあるのでしょうけれど、
馴染みのあるそれらで緑色をしたものというのはあまりない気がします。

庭先で見かけるトカゲなんかもそうですけど、全体的に茶色っぽいですよね爬虫類って。
(まぁ、これもまたきわめて個人的な先入観でしかありませんが)

 そういえば海外ではゴジラも緑色に塗ったりするそうですけれど、
でっかい爬虫類=緑色という人類共通の本能的刷り込みみたいなものが
あったりするのかも知れません。
…適当こいてますね。すみません。


 最後にひとつ。

ガーゴイルの項で、ガーゴイルを悪魔ではなくドラゴンの亜種として
扱ってみるのはどうかというお話をしたかと思いますが、
実のところ、悪魔とドラゴンって区別すべきものでもなかったりするのですね。

吸血鬼ドラキュラのモデルとして有名になった串刺し公のお父さんの異名、ドラクルですが、
これはハッタリ感を優先しているせいかだいたい「悪魔」として意訳されていますけれど、
「ドラゴン」も意味するのですね。
確かにドラクルという言葉としての響きはドラゴンと近しいですよね。
ですのでその息子の異名は、ドラキュラ=悪魔の息子=ドラゴンの息子であると。

つまりあのブラドさんはドラゴンパピーだった!
というところでお題と繋がった!?

だからどうしたと言われれば…はい、なんかスミマセン…

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。
 
GARGOYLE NO.001
ガーゴイル
GARGOYLE

 
ガーゴイルとは、おおよその場合寺院などの屋根周辺に配置され、
樋口の役割をはたしたりもする魔除けの彫像の事を指す。
が、ごく稀にであるがそれが突如として動き出し、冒険者の前に
立ちはだかる事がある。

何かの目的で邪な魔術によって生み出されたものなのか、齢を重ねて
自然に生命を持つに至ったのか、
それとも元からそういう生き物なのか、その正体は不明であるが、
ただひとつ明確なのは、悪意と害意をもって襲い掛かってくるという事である。

 彼らはまさに彫像のごとく息を潜めて獲物を待ち伏せしているため、
その存在に気づいた瞬間には不意打ちによっていきなり深手を
負わされてしまったり、
最悪の場合何が起こったのかすら気づかないまま命を失ってしまうことになる。

たとえ最初の不意打ちを回避できたとしても、
その、まさしく石のごとく強固な身体は
生半可な刃など通さず、見かけによらない敏捷な動きから繰り出される
重く硬い手足は、
それそのものがちょっとした武具に匹敵する威力を持ち、相当な苦戦を
強いられる事となるであろう。

 唯一の救いは、その重い身体を持ち上げるには頼りない翼が単なる飾りであり、
見た目に反して飛翔能力を持たない事であるが、
第三、第四の腕として戦闘に加わってくる事を差し引けば、
さしたる救いとも言い難いかもしれない。

 主に古く寂れた廃墟を好んで潜んでいるようだが、
不自然な場所にこの手の彫像が立っている場合、
まず警戒しておく方が無難であろう。

 ちなみに彼らが獲物を求めるのはどうやら捕食などを目的とする
行動ではないらしく、
かといって住処にはゴーレムなどのそれに相当する守るべき術者も
対象物もいないケースが多い。

ますますもって謎の多い存在である。


 …さて、第二回目ということで、今回はガーゴイルです。
aVAshiriとガーゴイルのとファーストコンタクトはゲームブックでした。
(確か『バルサスの要塞』だったと思います)

挿絵もきっちり用意されており、なんてかっこいいモンスターなんだ!と
一気にお気に入りと化した訳なのですが、
その後のコンピュータRPG全盛期においてはあまりその特性を活かされる事もなく、
単なる下級の悪魔系モンスターとしてわりと格下扱いされる事が多く、
少し寂しい思いをしたりしていたものです。


 はてさてこのガーゴイル。ルーツについては諸説あるようですが、
何れにせよ「取り込まれた側」の存在である事は確実な訳ですから、
扱いとしては生きた彫像的な魔法生物というものより、
悪魔や魔神の類として扱うのがしっくり来るような気がします。

また、ルーツのひとつともされ、造形的にもそっち寄りのものが
多かったりしますので、ドラゴンの亜種として解釈してみるのも
面白いかもしれませんね。
(考えてみれば偶像崇拝が禁止されている中でああいうかたちで伝えられてきている訳ですから、
想像以上に何か強い存在が元になってるのかもしれません。)



 今回のドット絵はもう一段捻る感じで、ガーゴイルと同じような役割を担う
鬼瓦っぽい意匠を混ぜ込んで描いてみました。

鬼という立場もどこかしらガーゴイルと近しいものがあるような気がします。

「鬼」という存在を為すバックボーンと共に、
「石になる」という事も、そのルーツを紐解くための重要な鍵のひとつだったりします。

その辺りを照らし合わせてみると、ガーゴイルというもののまた違った側面が
見えてくるかもしれません。

こういった自由な解釈も、モンスターを取り扱う上での醍醐味ではないかと、
aVAshiriは思ったりする訳です。

それでは今回はこんなところで。

ありがとうございました。



※モンスターの解説は基本的にaVAshiri独自の解釈によるものですので、
迂闊に他所で披露してしまうと恥をかいてしまう事になるので、十分にご注意ください。
PREV ←  HOME
Copyright (C) 2024 いまさらなハナシ All Rights Reserved.
Template Design by kaie
忍者ブログ [PR]